【イナイレ】シッカーラプンツェル11【不動明王】 (ページ46)

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◇ラプンツェルの宝物ページ46

「(ない……ないっ………ないっ！)」

ジェットコースターまでの道を逆に辿ってみるけれど、やはり〝アレ〟が見つからない。

ｻｧｱっと血の気が引いて行く感覚を覚える。
後悔が押し寄せて来るがもう遅い。

どうしよう、どうしようって1人でオロオロしていたけれど、ふとトビタカの存在を思い出す。

つい忘れかけていた……とりあえず、トビタカを待たせるのは悪いよね。
1度トビタカの所に戻って……えぇっと、聞いてみよう。
もしかしたらトビタカ、何か知っているかも。

そんな淡い期待を抱き、私は1度トビタカの待つベンチへと向かう。

トビタカは約束通りそこで待っていてくれたようで
私が戻って来た事に気付くと声を掛けようとしたみたいだが、私の様子が可笑しかったのか、すぐに不思議そうな顔をして「…どうした？」と私に尋ねた。

「と……トビタカ……どうしよう？」

「な、何が…？」

「わ、私の〝宝物〟……無くなっちゃった……！」

「えっ……？！」

私はトビタカに事情を説明した。

ポケットに入れていたはずの〝宝物〟が無くなっていた事。

それでジェットコースター付近を探してみたけれど、見つからなかった事。

無くなったら本当に本当に困ってしまう事。

トビタカは最初驚いた顔をしていたが
次第に真剣な顔になって、私の話を親身になって聞いてくれていた。

「…因みに〝宝物〟って……」

「お……御守り……」

「御守り……？」

「赤色で『無病息災』って書いてあるやつ……
私を担当してくれてたお医者さんから貰った物で……それに……中に……」

「そうか……本当にジェットコースター付近は無かったんだな？」

「無かった……けど、わかんない……ちゃんと探してなかったから……御守り、小さいし……見つけられなかっただけかも……」

「……」

話していて、私は思わず泣きそうになった。

だってだって、あの御守りは大切な物だから。
無くなったら本当に本当に困るから。

もしも、もう二度と手元に戻らなかったら、って考えると、涙が出そうになる。

こんな所で泣いても御守りは戻って来ないのに。

それにトビタカが困るだけだ。
ほら、現にトビタカが私の顔を見て戸惑った顔してる。