【イナイレ】シッカーラプンツェル11【不動明王】 (ページ4)

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◇ラプンツェルと味の感想ページ4

「…………まぁ、食えなくはなかった」

少しの間を空けてから、何故かフドウはそっぽを向いてそう言った。

な……何、その言い方。
〝食えなくはなかった〟って……美味しくなかったって事？

「……美味しくないなら正直に言えばいいのに……」

「別に不味いとは言ってないだろ？」

「でも美味しくもないんでしょ？だったら不味いんじゃん！！」

「だから味に文句は言ってねぇよ」

「……？どういう事…？」

いつも通り意地悪されてるのかと思って。
変に優しくされるぐらいなら正直に言って欲しかったから、ちゃんと伝えたのにフドウはちんぷんかんぷんな事を言う。

〝食えなくはない〟とは言っていたけれど、味の事ではなかったの…？

でも味じゃないとしたら……何？
おにぎりの握り方？確かに初めて握ったけれど……なんか変だったのかな……

「まぁ……別に。個人的な事だ。気にするな」

「…もしかして、フドウの嫌いな食べ物入れちゃった？」

「……そうじゃねぇ」

「じゃ、どーゆー事？ハッキリ言ってよ！
でないと何にもわかんないじゃん！！」

「…………」

好き嫌いの問題かと思ったけれど、それも違う。
もどかしくなって遂に私はフドウに尋ねてみるけれど
フドウは一向に教えてくれないの。

意味わかんない……さっきから目も合わせないで。
気にすんなって言われたら余計気にしちゃうよ。

でもこの調子だと意地悪なフドウは絶対教えてくれないんだろうな。
だから私は納得いかないけれど折れて、もうその事について追及するのはやめにしといた。

「もう！あんまりそうやって勿体ぶって教えてくれないなら、私もうお弁当作らないんだからね！」

「別に頼んでねーケド」

「ダメーー！！フドウはちゃんと食べないとダメなの！！」

「ハイハイ、分かりました分かりました」

最後にフドウは「参った」とでも言うように両手を顔の位置まで上げて中途半端にヒラヒラ動かした。

その態度にまたムカついたけれど、去り際に汚れたボールを渡された時に言われた一言で、そんな気持ちはひっくり返る。

「じゃ、また明日もヨロシクな」

「…………うんっ！」

……あーあ、私って単純だなぁ。