【イナイレ】シッカーラプンツェル11【不動明王】 (ページ27)

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◇ラプンツェルの感情ページ27

「えっと……うぅ」

試合が終わった後、私はまたネオジャパン側のベンチへ。

でもさっきとは別の意味で話し掛けづらくて。
最早、話し掛けられなくて。
でもこのままお別れするのはなんか嫌で。

どう声を掛けようかな。なんて言えば良いのかなってぐるぐる頭の中で考えていると、ふとゲンダと目が合ってしまった。

ゲンダは私と目が合うと、苦い笑いを浮かべた。
そうして、おもむろに『おいで』って手招きしてくれたので、私は恐る恐るゲンダの所へ。

「えと……えっと、その。
………お、惜しかった、ね」

「……ああ」

「で…でもでも！ネオジャパンもスゴかったよ！新しい必殺技とか、皆の連携とかも……イナズマジャパンに負けないぐらいスゴくて、DFとかも……」

「でも、俺達は負けた」

「うっ…………」

ゲンダ、すごく暗い顔してたから。
まずは顔を上げて欲しくて。

なのに逆に気分を沈ませるような事ばっかり言っちゃって。私も思わず俯いた。

「瞳子監督の下で毎日血反吐を吐いて這い蹲ってでも特訓に明け暮れていたのに……それなのにっ……！

俺は……俺達は……負けたっ…！
イナズマジャパンには……勝てなかったっ……！」

「……ゲンダ……」

ゲンダが拳を強く握り締める。
ｷﾞﾘﾘと歯を食い縛る音が聞こえた。

……どんな特訓をしたのかはわからない。
どれだけ特訓したのかはわからない。

でも本当に、本当にここまで頑張ったんだって事はわかる。本気で日本代表になりたくて。世界と闘いたくて、この日を迎えたんだって事はわかる。
だってその結果があのハラハラする試合だったんだもん。

あんな試合を繰り広げたのに勝てなかったんだもん。
悔しくて悔しくて堪らないだろう。

「げ……ゲンダも、すごかったもん…」

弱々しい声が私の喉から絞り出される。

ﾎﾟﾛﾎﾟﾛと瞳から何かが溢れる。
ゲンダが顔を上げ、私を見ると驚いた顔をした。

「ゲンダも、すごかったんだよ……！

イナズマジャパンに負けないぐらい、スゴかったんだよっ！！」

私は涙を袖で拭って、その場に膝をつく。
ゲンダの分厚い手を握って、目を合わせると
呆気に取られたゲンダを置いて私は続けた。