辻 740 ページ43
「なるほど、じゃあ疲れて寝ちゃったワケか」
彼女が眠って少しすると、瞬木が部屋に再び現れた。
眠るイドラについて話すと、瞬木はそう言って横目で彼女を見遣る。
そうして「まぁ、それもそうか」と零すと苦笑いを浮かべた。
「このところ、団長全然寝てなかったもん。
別の世界とはいえ、久々に自分の部屋に戻って眠気が限界来ちゃったんだろうね」
「そ…そうだったのか…」
確かに彼女の心労を考えると、そうなっても可笑しくはないだろう。
少なくとも俺だったら眠れそうにない。
そう考えると彼女にとっては久々にまともな睡眠の時間となるのだろうか。
だとすると15分と言わず、疲れが取れるまで何時間でも眠っていてほしいと切実に思った。
「え〜！じゃあダンチョーと話せないの？」
「つまんないの……」
……ただ、瞬木のすぐ足元にいる弟2人は残念そうだが。
「じゃ、蘭丸ネーチャンとお話しよ！」
「えー、でもランマルねーちゃんもつまんない……」
「(ネーチャン呼び……)」
眠るAを見てから、次に俺に視線を移す2人。
確か名前は……大きい方が雄太で、小さい方が瞬だったか。
ただ、元の性格は�猗薪将瓩靴討い襪茲Δ�
雄太が無邪気で子供っぽく、瞬は歳の割に落ち着いていた。
「今度はガキ連れて来たのか坊主」
「団長に会いたいって聞かなくてね……別にいいでしょ」
「兄ちゃん兄ちゃん！あの人は誰？」
「あたらしくはいったヒト？」
「おいおい、俺様を勝手にこんなチンケな一味の仲間に入れるんじゃねぇ」
「じゃあテキ？」
「敵でもねーよ……一応、な」
「あとで裏切ったりしない？」
「…兄ちゃん、アレぜったいあとでうらぎるよ。
ころしたほうがいーんじゃない？」
「ガキのクセに裏切るだの殺すだの……
随分とイイ教育施されてンじゃねェか、なァ？」
「あはは、どうも」
すぐ俺からザナークに興味を移し、言いたい放題な瞬と雄太。
しかも歳に似合わず物騒な事まで言って。
あの巨体相手に肝が座っている。
終いには2人でザナークを囲んで「遊んで！」とせがみ、ザナークは「えっ」と驚いた顔をした後、そっぽを向いて無視を決め込んだ。
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