辻 737 ページ40
「いやぁ、最近�牘騰瓩念榮阿靴討覆�ったから、すっかり忘れてたよ」
ズブズブという音と共に、視界が不意に明るくなる。
そこで目を開けると、目の前には
……今回は不安定な体制から落とされなかったな。
俺達の世界の瞬木の方ではケツから落とされたものだから。
それにしても、本当に瞬木の能力は便利だな……
攻撃にも防御にも使えて、オマケにこうして離れた所を移動出来るだなんて万能な……
本当はそんな能力、持っちゃいけないし、イドラ達も本心じゃ持ちたくないと思うが、俺も持つならああいう、少しは人の役に立つ能力が欲しかった。
「あ、でもそう言えば僕、こっちの瞬木に誘拐された時に�牘騰瓩忙辰�閉じ込められてたんだった」
「う、うん…」
「あの時は苦しかったなぁ。
何せ呼吸もままならない、でもそのまま窒息しないギリギリの状態でずぅーっと真っ暗な影の中に1人ぼっちで……」
「だ、だからあの時はごめんって言ったじゃん…！
俺だってやりたくてやったワケじゃないんだから！」
着いて早々、イドラはニコニコと不自然なくらいに笑ったままそう話し、瞬木は焦った様子で弁解する。
その表情から、本当に瞬木は乗り気じゃなかったようだった。
相変わらずイドラは意地悪な人だ。
「とりあえず、俺は瞬と雄太に話して来る。
皆は先に入って真名部達を休ませてあげて」
「僕の部屋でいい？」
「まぁ、いいけど……なんか引っ掛かるなぁ、その言い方」
「僕だってそうだよ」
館に足を踏み入れ、話しながら俺達は部屋を目指す。
館の中は俺達の世界と見た目も中身もあまり変わらなかった。
�猗薪樟こΝ瓩箸�言うから色も赤とは真逆なのかと思っていたが、そこは同じなのか。
「どこもかしこも赤、赤、赤……
イイ趣味してるなァ、イドラさんよ？」
「ゴメンねぇ、僕の趣味がイイ感じで。
……と言うか僕と同じなのか。ちょっと安心した」
「こんな真っ赤っかな所で身体が休まるんだろうな……？逆に悪化しねェか？」
「文句があるなら出てってもらって構わないんだよ。
本来、この館は団員以外の立ち入りは一切禁じてるんだから。
……まぁ、正確にはこの館は僕が作ったんじゃないケド」
「ややこしいなぁ」と呟くイドラに舌打ちをするザナーク。
彼の気持ちもわかるが、色以外は至って普通の館なので過ごしていれば慣れてくれるだろうか。
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