イドラのサーカス 733 ページ36
「…で？話ってなぁに、瞬木？」
宣言通りテントの隅っこに移動した2人。
1度周りとSARUの方を確認してから、Aはニッコリと笑顔を
瞬木は眉間に皺を寄せ、彼女を睨む。
サーカスでしか見せないその笑顔を心底気色悪く思ったのだろう。
「……どうして、俺の邪魔をした？」
「邪魔……？いつ？何処で？
心当たりがあり過ぎてわからないな」
「ふざけるな。言っとくけどお前の事まだ信用してねぇからな。
あんまいい加減な事言ってると、刺すぞ」
「……はぁい」
最初はふざけている様子だったAだったが
対して瞬木が苛立ちを隠さずそう言うと、途端に張り付けていた笑顔を無くした。
彼女のすぐ足元に落ちた影は不自然にゆらゆらと揺らめく。どうやら脅しとかではないらしい。
渋々と言った様子でAは返事を返し、腕を組むと「でも、」と言葉を付け足す。
「瞬木の話はまだピンと来ないなぁ。
そもそも私、こっちのキミとはまだあんまり絡んでないと思うんだけど……」
「…………Aが攫われた時だ」
首を捻って考えるAにポツリと瞬木は呟く。
それでもまだわからないのだろう。
Aが訝しげな顔をするので、瞬木は続けた。
「俺達のAが攫われる直前……俺は�牘騰瓩鮖箸辰峠�けようとした………でも、出来なかった。
どうしてか、あの一瞬だけ
もう1人の自分に目の前でAを連れ去られそうになったあの時。
瞬木は確かに�牘騰瓩鮖箸辰拭�そのはずだった。
しかし、何故か�牘騰瓩脇阿�事はなく
オマケに身体の力も抜けた。
そのせいで、Aは連れ去られた。
原因は目の前に立つ、もう1人のAだと瞬木は考える。
彼女の能力は創造と破壊。
勿論、能力においてもソレはある程度適応される。
特に�倏鵬��瓩領呂鷲�広く、基本はどの能力もその力で打ち消せた。
瞬木はその�倏鵬��瓩領呂魏�しんでいた。
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