辻 718 ページ21
「…？！」
俺は思わず目を見張る。
地面が……崩れている。
いや、彼女の能力によって�倏鵬��瓩気譴討い襦�
しかし、それは意味の無い事だ。
少女はいなくなって、攻撃対象はいなくなったはずなのだから。
だとしたら、アレは……暴走している？
触れた物を片っ端から�倏鵬��瓩靴討靴泙辰討い襪鵑犬磴覆い世蹐Δ�。
それにあの姿も。
左半分の顔がまるで真っ黒に塗りつぶされたかのよう。袖が無くなり露出してしまった左腕も同じく真っ黒だ。
先程、左半身を引き摺るように歩いていた事から、もしかしたら左側も真っ黒なんじゃないだろうか。
どうなっているんだろう……？
あんな姿は見た事ないし、フィフスセクターにいた頃も聞いていない。
これは……普通の人間だったイドラが能力に目覚めた時と同じようなものだろうか？
それとも……
「グ…ぐ……う………ぅ…」
イドラは固く目を瞑り、何かを耐えているかのように口を引き結ぶ。
すると少しずつ、少しずつ彼女の顔の黒い部分が左手に吸い込まれるように縮んでいった。
顔のアザが無くなり、肩から肘、肘から更に縮む。
そうしてようやく収まったのか、険しかったイドラの表情が解け、彼女は粒汗を流しながら項垂れた。
「イドラ……！」
ソレを見てもう大丈夫だと判断した俺は、彼女に駆け寄るとしゃがんで目線を合わせる。
苦しそうに息をしているが、さっきほどじゃない。
その内呼吸が整って、いつも通りになるだろう。
左腕もいつも通り、
……うん？いや、ちょっと待て。
黒い部分って、こんなに……
「らん………まる？」
ふと名前を呼ばれ、俺は顔を上げると
ぼんやりとしたイドラの紫色の瞳と目が合った。
彼女は酷く困惑した様子で俺を見て、微かに眉を潜める。
無理もない。俺だって同じ気持ちだ。
しかし今はソレを問い質す時じゃない。
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