世界征服～僕らのサーカス～【イナGO】VS SSC編第陸幕 (ページ15)

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辻 712 ページ15

「……〝反転世界〟だ」

俺が問い掛けると、ザナークは少し考えるような素振りを見せた後、そう答えた。

「反転世界？」と思わずオウム返しに尋ねると
ザナークは言葉を続けた。

「ま、カンタンに言うとだな。
この世界はお前達の世界とは何かが〝反転〟してるのさ」

「反転……？」

「頭のイイヤツが馬鹿になったり、根暗なヤツが明るくなったり、チビがノッポになってたり。

身体的、または精神的に何かが反転してるのさ」

「な、なんだソレ……」

ザナークのざっくりとした説明に俺は唖然としてしまう。

反転世界……また妙なパラレルワールドに来てしまった。
こんな所にイドラは本当にいるのだろうか。

というか……どうしてこのパラレルワールドにいるのだろうか。

イドラを攫った瞬木は、未来から来た瞬木のはずだ。
なら、連れて行くのも普通は未来の世界ではないの…だろうか？

そう考えるのは単純なのだろうか？

いや……待てよ？
反転世界…？俺達の世界とは何かが反転しているって……？

そう言えば……イドラを攫った方の瞬木、メッシュの部分が真っ赤だったよな……？

表情も顰め面ではなく、爽やかに微笑んでいたし……
まるでこちらの瞬木の性格が〝反転〟したかのように……

「(あれ………？)」

そこまで考えて、俺はハッと目を見張る。

ある可能性が浮かんでしまったから。

その可能性を振り払おうと更に思考するが
考えれば考える程、もうそうとしか思えないぐらいに可笑しな点がいくつも浮かんで来る。

ああ、でも……だとしたら、

「(Aは……彼女は、嘘を言っている事になる)」

……そう思いたくなかった。

彼女は嘘を吐かないって、信じたい。

でも、もしも俺の仮説が合っているなら。

未来のイドラと名乗る少女が
〝反転世界〟のイドラなら。