▼地球に戻ったら ページ15
皆帆「……地球に戻ったら、どうしよっか？」
ふと、和人が表情を改めると、そんな話を口にする。
私は横目で和人を見てから、再び窓の外を見遣る。
ファラム・オービアスはもうほとんど見えないくらい離れた。
周りの星が綺麗だけど、同時に何故だか寂しく感じる。
その寂しさを紛らわせるように、私は和人のように身を寄せると、和人は驚いたのか目を瞬かせた。
A「……私、地球に戻ったら全部話すよ」
皆帆「全部、話すって……何を？」
A「事件の事、全部。私の事もさ。
警察にちゃんと話して、事件の真相も話して。
そんで、ちゃんと罰受けて来る」
和人の腕を掴んで、そっと頭を和人と頭とくっつける。
話を聞いた和人は少しの間を空けてから「…そっか」と呟くと、和人も窓の方を見遣る。
腕を掴んでいる私の手の上に自分の手を重ねて、撫でるように動かして。
少し寂しそうに目を伏せると、和人は続けた。
皆帆「……じゃあ、また暫く会えないかもね」
A「ああ、そうなると思う」
皆帆「寂しいなぁ……折角こうして会えたのに」
A「大丈夫。今度は逃げたりしないから。
ちゃんと戻って来るから、絶対」
皆帆「……本当に？」
A「本当に。皆帆さんに誓ってもいい」
皆帆「父さんに？じゃあ信じるよ」
A「なんだよ、ソレ」
お互い思わず笑ってしまう。
顔を見合わせて、ｸｽｸｽしてさ。
でもふと、笑うのを止める。
だって和人が、あまりにも優しい顔で笑ってたから。
いつもと違う雰囲気の和人に、不覚にもﾄﾞｷｯとしてしまった。
皆帆「……じゃあ、今言わないとね。とびきりの告白」
A「えっ……い、今？」
皆帆「うん、今。今言わせて。
僕、ちゃんと考えて来たんだから」
A「…………わ、かった」
まさか今からされるとは思わなくって。
心の準備をしていなかった私は焦る。
でも覚悟を決めて私は頷くと
おもむろに私は和人から離れ、彼と向き直る。
すると和人は途端に真剣な顔をしてさ。
まるで試合の時みたいな感じ。
そんな顔でじっと見つめられたらさ、ﾄﾞｷﾄﾞｷしちゃうじゃん。
その顔、カッコよくて結構好きなんだから、私。
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