ハルナシ ページ8
「そう言えば……貴方のお名前、聞いていなかったわ。なんてお名前なの？」
「皆帆和人。1年だよ」
「皆帆くん、って言うの。
私はA。春梨Aよ。貴方より2年先輩ね」
自然な流れで自分の名前を名乗り、お互いにお互いを認識する。
彼女は柔らかな微笑みを浮かべながら「よろしくね」なんて言うので、皆帆も釣られて「よろしく」と改めて挨拶を交わした。
微笑み1つとっても上品な彼女はやはりいい所の令嬢立ったりするのだろうか……
雰囲気も物腰柔らかで、今日初めて会ったはずなのに一緒にいて心地良かった。
「…あ！いけない！」
そのまま、また他愛もない話をしようとしていたが
ふとAは目を見開き、思い出したように図書室の壁に掛けてある時計に目をやった。
時刻は4時を回っている。
これから部活動が活発になる時間だ。
「もしかして、部活？」
「いいえ、そうじゃないけれど……とってもとっても大切な用事があったの忘れていたわ…！」
部活の時間を気にしていると思っていたが、皆帆のその予想は外れた。
Aは途端にあわあわとしだし、バタバタと図書室の扉の方へと向かって行く。
「お話出来てすごく楽しかったわ！
良かったらまた今度お話しましょう！またね！」
だが出て行く直前に彼女はやや口早にそう言って、軽く手を振ってくれた。
なので皆帆も手を振り返したが、彼女がソレを見たかどうかはわからなかった。
彼女が出て行って、再び静かになる図書室。
彼女と話すのは思いの外楽しかったので、少し残念に思いながらも皆帆は本棚に向き直ると、再び次に借りる予定の推理小説のタイトルを探した。
「…………アレ？」
その時、ふと隣の本棚に目が入った。
先程Aが見ていた本棚だ。
そこに並べられている本のジャンルは�爛薀ぅ肇離戰覘�
最近の流行りからか、以前は棚2つ分程の量だったのに、今では本棚1つ分にまで増えていたらしい。
そこで皆帆は疑問に思う。
『彼女はこの本棚で何を探していたのか』
彼女の好みは恋愛もの。
だがこの本棚はライトノベルが並べられた本棚。
恋愛ものが並んでいる本棚は小さいながらも勿論ある。
なのに何故彼女はわざわざライトノベルの本棚を見ていたのだろうか？
勿論、ライトノベルにも恋愛ものはある。
だが、恋愛ものを探すのにまずライトノベルから探すものなのだろうか？
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＊IJu＊(プロフ) - 偽薬さん» こんにちは！まさか偽薬さんからコメントを…！ありがとうございます！自分が書くとどうしても長編になってしまうので、短編が書ける偽薬さんが逆に羨ましいです…(笑)応援ありがとうございます！偽薬さんも自分のペースで作品作り頑張って下さい！ (2021年11月23日 1時) (
レス) @page43 id: c0312d3eb1 (このIDを非表示/違反報告)
偽薬(プロフ) - こんにちは、偽薬です。地の文と会話文のテンポが良く、ストーリーの深め方も魅力的でした！ 長編書けるのとても羨ましいです……応援しています！ (2021年11月22日 23時) (レス) @page2 id: 21f878ceea (このIDを非表示/違反報告)
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