フタリグミ ページ37
本を読んで時間を潰していたら、ようやく教室から人がいなくなった。
残っているのは皆帆と、休み時間に話してくれた2人の女生徒のみ。
2人も人がいないのを確認してから皆帆の方を見遣り
皆帆は読んでいた本に栞を挟んで閉じると、席を立って2人の元へ歩み寄った。
「…話の続き、聞かせてもらってもいいかな？」
「う、うん…」
「いいけど…」
皆帆が話し掛けると、2人は身を寄せ合い、互いにアイコンタクトを取ってから頷いた。
この2人を皆帆はよく知っている。
クラスメイトだから、というのもあるが
何よりこの2人は1日中一緒にいて、登下校時でさえも共にする程の仲の良さだからだ。
勿論、他のクラスメイトとも話す所は見掛けるが
基本、この2人はいつも一緒で、寧ろ自由時間の時に離れた所は皆帆は見た事が無かった。
そんな2人は揃って隼総ファンクラブに所属しているらしく、休み時間の時に話していた時も度々隼総の話に脱線して、その度に皆帆が修正していた。
「じゃあ…まずは僕の質問に答えてくれるかな？
隼総ファンクラブについてなんだけれど。
…あ、勿論、今日聞いた事は他言無用にするから安心して。それに言いたくない部分は無理して言わなくていいからね。
ただ、嘘を吐くのだけはやめてほしい。
話すならきちんと正直に話して」
質問をする前に、そう皆帆は前置きすると
早速、彼は2人に質問を投げかけた。
改めて、軽くファンクラブについて休み時間に聞いた話をおさらいしながら、一つ一つの問題を更に深く掘り下げて行く。
やはり途中で話が脱線したが、またその度に皆帆が修正しつつ質問を続ける。
2人は皆帆の質問に全て答えてくれた。
時々、不安げに顔を見合わせたりしていたが、黙りする事はなく、また嘘を吐いている様子もなく。
だからこそ皆帆はある質問をした時に、彼女達の返答に驚いてしまった。
「えっ…？春梨さんって隼総くんのファンクラブに入ってないの？」
「う…うん。入ってないよ」
「寧ろファンクラブ出来てそうだよね…
あの人、とっても素敵な人だし」
「わかるわかる〜！超麗しいし〜！良い香りするし〜！」
2人の話によると、どうやら彼女は隼総のファンクラブに入っていないらしかった。
あんなに動揺していたのだから、てっきり入っているものかと思っていたが、まさか本当の事だったとは思わなくて、皆帆は目を瞬かせた。
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＊IJu＊(プロフ) - 偽薬さん» こんにちは！まさか偽薬さんからコメントを…！ありがとうございます！自分が書くとどうしても長編になってしまうので、短編が書ける偽薬さんが逆に羨ましいです…(笑)応援ありがとうございます！偽薬さんも自分のペースで作品作り頑張って下さい！ (2021年11月23日 1時) (
レス) @page43 id: c0312d3eb1 (このIDを非表示/違反報告)
偽薬(プロフ) - こんにちは、偽薬です。地の文と会話文のテンポが良く、ストーリーの深め方も魅力的でした！ 長編書けるのとても羨ましいです……応援しています！ (2021年11月22日 23時) (レス) @page2 id: 21f878ceea (このIDを非表示/違反報告)
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