カエリミチ ページ28
「帰ってくれ」
それ以降はもう、隼総はそれしか言わなかった。
酷く怯えた様子で、声も震えていた。
それでも皆帆は何とか粘ろうとしたが、それさえも隼総は許さなかった。
終いにはベットの枕を皆帆に向かって投げ付けて来たので、流石に喜多に促され帰る事となった。
「まったく……キミも相変わらずだな」
隼総の家を出て少しすると、喜多は溜息を吐きながら呆れたような顔で皆帆を見遣る。
皆帆も流石に切り込み過ぎたと思って反省していたので、それ以上何も言われなかった。
「ごめんね……折角隼総くんと話せたのに……」
「ちょっと急かし過ぎたねぇ。
でもま、あんまり気にしない方がいいよぉ？」
「それにしても……お前、ストーカーの事を聞き出そうだなんて……まさか、犯人を捕まえるつもりか？」
「うーん……出来れば捕まえたいけれど、それ以外に気になる事があって……」
「気になる事…？それってなんだ？」
「……ごめん、それは流石に言えないや」
皆帆が困った顔で返すと、途端に西野空は「なにそれぇ」と声を上げる。
一瞬皆帆も言おうか迷ったが、やはり言わない事にした。
下手に広めて犯人の耳に届く事を恐れたのだ。
まだどの学年の人かも特定出来ていないし
もしかしたら、彼等の知り合いに犯人が紛れているかもしれないから。
本当は協力してもらいたい気持ちだが、仕方ない。
じとっとこちらを睨む西野空に皆帆は苦笑いを浮かべる事しか出来なかった。
「でも確かに…ストーカーの件はどうにかしないとな。でないと隼総はずっと学校にも部活にも来れなくなってしまう」
「そうは言ってもねぇ……本人が話したがらないし、それっぽい手掛かりもないし……どうしようもないねぇ」
「虱潰しに探すのもリスクがあるしな。
犯人が何処で話を聞いているか分からないし」
「もしかしたら同じ学校の生徒だったりしてぇ〜！
だとしたら怖くなァい？」
「まぁ、無くはない、か……ファンクラブもあるぐらいだし……」
喜多ら3人で話を展開している間、皆帆も1人で考える。
自宅にいるにも関わらず、隼総のあの怯えよう……
彼は相当精神的に参っている状態だろう。
しかし、それにしたってどうしてあそこまで怯えるのか。
特に皆帆が彼にストーカー犯について尋ねた所は。
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＊IJu＊(プロフ) - 偽薬さん» こんにちは！まさか偽薬さんからコメントを…！ありがとうございます！自分が書くとどうしても長編になってしまうので、短編が書ける偽薬さんが逆に羨ましいです…(笑)応援ありがとうございます！偽薬さんも自分のペースで作品作り頑張って下さい！ (2021年11月23日 1時) (
レス) @page43 id: c0312d3eb1 (このIDを非表示/違反報告)
偽薬(プロフ) - こんにちは、偽薬です。地の文と会話文のテンポが良く、ストーリーの深め方も魅力的でした！ 長編書けるのとても羨ましいです……応援しています！ (2021年11月22日 23時) (レス) @page2 id: 21f878ceea (このIDを非表示/違反報告)
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