ホンダイ ページ27
隼総の許可を得て部屋に入れてもらい、各々好きな所で寛いだ。
西野空に至っては自由過ぎて、入って1番に部屋のベットに腰掛けたので隼総が呆れたぐらいだ。
でも動く気も無さそうなので、仕方なくベットに座る西野空を中心に円を描くようにそれぞれ床に座り、中心に買って来たお菓子を広げる。
それから暫くは他愛もない話をしながら、各自お菓子を摘んでいた。
最初は隼総は西野空達の話を聞いているだけだったが、少しするとポツポツと会話に参加し始め、10分も経った頃にはいつも通りに話していた。
久々に部員やクラスメイトと話せて少しは気が紛れたのだろうか。
サッカーの話題になった時は特に食い付きがよく
喜多達の練習風景を聞きながら表情豊かな反応を示した。
そうして随分と打ち解けたタイミングで
皆帆はようやく本題に入った。
「ところで…1つ聞いてもいいかな、隼総くん？」
「あン？なんだよ？」
「キミが被害に合っているストーカーの件についてなんだけど……」
瞬間、まるでメドゥーサにでも睨まれたかのように隼総の動きが止まった。
西野空からお菓子を貰おうとしていた手も止まり
その変わりように喜多達もお互いに顔を見合せる。
隼総の表情が見る見るうちに変わっていく。
表情ごと固まった後、まるでリトマス紙のようにｻｯと顔色が青くなっていく。
表情も引き攣り、肩が震える。
隼総は1度視線を落として項垂れた。
耳が痛くなるような沈黙の後、隼総はようやく口を開いた。
「…………………………なんで、その事を知っている？」
「喜多くんから聞いたんだ……ごめんね。
でもその事で気になる事があってね。良かったら……」
「知らねぇ」
皆帆が言い終わらない内に、隼総は低い声で口早に告げた。
その声は微かに震えており、相当怖がっている様子が皆帆にはわかった。
喜多らも「そう言わずに…」と話すよう促すが、それでも彼は「知らねぇよ」と返すだけだった。
「…お前ら、もしかしてソレ聞く為に今日来たのか？」
「ち、違うぞ隼総…！俺達は隼総が心配で…！」
「そうだよ」
「み、皆帆っ…？！」
「…………」
隼総の言葉に慌てて喜多がフォローしようとしたが
ストーカーについて尋ねた本人はキッパリと本音を打ち明ける。
すると隼総は僅かに顔を上げ、視線だけで皆帆を見遣る。その目付きはまるで睨んでいるかのように鋭く、凄みがあった。
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＊IJu＊(プロフ) - 偽薬さん» こんにちは！まさか偽薬さんからコメントを…！ありがとうございます！自分が書くとどうしても長編になってしまうので、短編が書ける偽薬さんが逆に羨ましいです…(笑)応援ありがとうございます！偽薬さんも自分のペースで作品作り頑張って下さい！ (2021年11月23日 1時) (
レス) @page43 id: c0312d3eb1 (このIDを非表示/違反報告)
偽薬(プロフ) - こんにちは、偽薬です。地の文と会話文のテンポが良く、ストーリーの深め方も魅力的でした！ 長編書けるのとても羨ましいです……応援しています！ (2021年11月22日 23時) (レス) @page2 id: 21f878ceea (このIDを非表示/違反報告)
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