カンガエチュウ ページ22
Aと分かれ、教室に戻るなり、皆帆はクラスメイトに囲まれた。
というのも例の『高嶺の花』とお昼を食べた事はクラス中で話題だったらしい。
「春梨さんとのお食事はどうだった？」から始まった質問攻め。
「何食べてたの？」「どんなお弁当だったの？」
「彼女とは一体どんな関係？」「もしかして付き合ってる？」……と、話題がどんどん彼女との関係の話になっていった。
想定内の反応に皆帆は苦笑しつつも、出来うる限り答えようとはしたが、何分矢継ぎ早に次々と質問が押し寄せて来るので皆帆自身が処理し切れず
途中で社会科の先生が来た事により強制終了となった。
先生の一声で散り散りになるクラスメイト。
皆帆はようやく一息吐くと、日直の号令に倣い礼をした。
「(春梨さんとお弁当を食べただけであそこまで…
そんなに気になるなら、実際に彼女と一緒にお弁当を食べてみればいいのに)」
席についた皆帆は先生に言われたページを開き
ぼんやり眺めながらそんな事を考える。
皆の疑問全てに答えるには、彼女と共に過ごすのが1番だと皆帆は思う。
しかしそれをしないのがこの学校の生徒達だ。
どうも彼女と話すには敷居が高いらしい。
日本人らしい謙虚な所が出ているのか、彼女の周りは見る見るうちに溝が出来てしまっている。
彼女の家柄も相まって、余計に話し掛け辛いのだろう。
そのせいで孤立してしまっている彼女を想像すると、胸が痛む。
彼女の問題も何とかしてあげたい、と皆帆は思った。
「(でも、その前にまずはストーカー事件…かな)」
ページを捲り、またぼんやりと考える。
今日の放課後は喜多と共に隼総の家に行く。
そこで隼総に、自身が体験しているストーカー被害について尋ねるのだ。
もしかしたら瞬木に依頼された方のストーカー事件の手掛かりが掴めるかもしれないし、手口が似ている事から同一人物の犯行である可能性もある。
「(湾田くんから特徴は聞いたけれど、あれだけじゃ犯人特定は無理だ…聞き込みとかも、してった方がいいのかな。
でもそうなると…春梨さんも対象になっちゃうな。
天河原中の制服で、肩より短い髪だもん。
なんだか少し、聞きづらいな)」
ただのクラスメイトならまだしも、仲良くなり始めたばかりの高嶺の花に話を聞くのは皆帆でも些かしづらく思った。
思ってから「ああ、皆こういう感覚なのかな」と1人何となく考える。
その直後、不意に先生に名指しされた事により
皆帆の思考は1度中断された。
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＊IJu＊(プロフ) - 偽薬さん» こんにちは！まさか偽薬さんからコメントを…！ありがとうございます！自分が書くとどうしても長編になってしまうので、短編が書ける偽薬さんが逆に羨ましいです…(笑)応援ありがとうございます！偽薬さんも自分のペースで作品作り頑張って下さい！ (2021年11月23日 1時) (
レス) @page43 id: c0312d3eb1 (このIDを非表示/違反報告)
偽薬(プロフ) - こんにちは、偽薬です。地の文と会話文のテンポが良く、ストーリーの深め方も魅力的でした！ 長編書けるのとても羨ましいです……応援しています！ (2021年11月22日 23時) (レス) @page2 id: 21f878ceea (このIDを非表示/違反報告)
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