カンガエゴト ページ14
「昨日からよく会うね」
「ええ、本当。何だか物語のようで素敵ね」
「もしかして、赤い糸で繋がれた運命の人だったりして」
「あら、皆帆くんって意外とロマンチストさん？」
「ううん、運命は自分で探すタイプさ」
そこからはまた昨日の図書室の時のような他愛もない話で盛り上がり、時々お互い茶化し合っては笑う。
やはり彼女とはウマが合うのか、話していて楽しかった。昨日初めて会ったばかりのはずなのに、まるで最初から友達であったかのよう。
ふわふわとした声も聞いていて心地好く
笑い方も上品で、でも態度は上品過ぎない。
気付いたら犯人探し事も、ストーカーの事も忘れて
随分と彼女と話してしまっていた。
「ところで……皆帆くん、何か考え事でもしていたの？」
「…えっ？」
「声を掛ける前、随分と考えていたみたいだから……」
「声掛けづらかったわ」なんて彼女は肩を竦め
皆帆はそこで初めて自分がそこまで考え事に夢中になっていた事に気付いた。
結論から言えば勿論、考えていた。
2件のストーカー事件の犯人に繋がる手掛かりについて、頭の中で整理していたから。
ただ、ソレをそのまま答えるのは頂けない。
何せ彼女は今の所、この事件とは無関係。
寧ろ、変に噂が広がってしまわないように、あまり正直に話すのはいけないだろう。
「……ああ、ちょっとね。頼まれ事されてて」
「頼まれ事…？」
「ソレは秘密、さ。まだ僕達は出会ったばっかりだからね」
「あら、イジワルね」
なので皆帆は適当に誤魔化す事にした。
人差し指を自身の口元に持っていき、いたずらっ子のように笑うと、Aもｸｽﾘと笑う。
特に彼女はまだ出会ったばっかりだ。
もしかしたら犯人と友人関係である可能性も無くはない。
もし彼女から皆帆の存在が伝わってしまったら
その犯人は皆帆を警戒して、手掛かりを残さなくなってしまうかもしれないし、その犯人が猟奇的な人間であるならば、皆帆を直接狙いに来る可能性もある。
何より、皆帆の個人的な理由で彼女は巻き込みたくなかったから。
「ふふ、ならもっとちゃんと仲良くなって、いつか聞き出してみようかしら」
「それは困るなぁ。キミと仲良くなってしまったら、なんでも話してしまいそうだ」
「何よそれ。変なの」
冗談っぽく言ってのける皆帆にAはまたｸｽｸｽと笑う。
でも実際の所、本当に彼女と仲良くなったら隠し事出来そうにないなとは皆帆も思っていた。
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＊IJu＊(プロフ) - 偽薬さん» こんにちは！まさか偽薬さんからコメントを…！ありがとうございます！自分が書くとどうしても長編になってしまうので、短編が書ける偽薬さんが逆に羨ましいです…(笑)応援ありがとうございます！偽薬さんも自分のペースで作品作り頑張って下さい！ (2021年11月23日 1時) (
レス) @page43 id: c0312d3eb1 (このIDを非表示/違反報告)
偽薬(プロフ) - こんにちは、偽薬です。地の文と会話文のテンポが良く、ストーリーの深め方も魅力的でした！ 長編書けるのとても羨ましいです……応援しています！ (2021年11月22日 23時) (レス) @page2 id: 21f878ceea (このIDを非表示/違反報告)
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