ヤクソク ページ11
湾田が言っていた『犯人は天河原中の女生徒』
もしも本当に犯人がそうであるなら、隼総に被害を加えるのは湾田の時よりも手頃なはずだ。
隼総は天河原中の生徒。同じ中学校だ。
他校の生徒と違い、その気になれば1日中、隼総をストーキング出来るだろう。
「まさか隼総があそこまで追い詰められるとはな…犯人を探そうにも、周りの聞き込みだけじゃどうにも…」
「……ねぇ、その犯人探し、良かったら僕も手伝おうか？」
後輩思いな喜多は犯人を探しているらしい。
なので皆帆はそう申し出ると、喜多はﾊﾟｯと顔を上げて「本当か？」と目を丸く見張った。
皆帆は隼総を狙った犯人と、瞬木の知り合いを狙った犯人が同一人物である可能性を考慮し、2つのストーカー事件に関わる事にした。
そうする事で、もしかしたら多く手掛かりが見つかるかもしれない。
手掛かりは多ければ多い程、犯人に近付けるのだ。
「ああ。少し気になる事もあるし……何より、隼総くんの事が心配だからね」
「助かるよ…！正直、困っていたんだ。
隼総も怖がってストーカーの話はあまり話したがらないから……」
「仕方ないよ。精神的に参っている状態だろうしね。
でも会って話せるぐらいには落ち着いているのかな？そうだとしたら、是非本人からも話を直接聞きに行きたいんだけど……」
「あ、ああ…俺達が行った時は会ってくれたから、きっと会えるとは思う。
…だが、話してくれるだろうか…随分と怯えているみたいだから……」
「うーん……じゃあ、良かったら喜多くんも来てくれるかな？僕だけじゃ話しづらい事も、サッカー部のキャプテンであるキミがいたら話してくれるかも」
「ああ、それは構わないよ。
明日の放課後でいいかな？丁度部活が休みなんだ」
「うん、大丈夫だよ」
犯人の手掛かりを聞き出すべく、そんな約束も喜多と取り付けた皆帆は、放課後の待ち合わせ場所を決めて喜多と分かれると、そのまま正門の方へと向かった。
「(もしも犯人が同じだったとしたら……犯人はどうして1度に2人の人間を付け狙ったのだろう…？
普通なら1人の人間に執着するのが定石だと思うんだけど……今回の場合は明らかに好意のエスカレート……でも1度に2人の人間を好きになることってあるのかな？)」
皆帆はそんな事を考えながら、帰路につく。
そんな彼は気付かなかった。
正門を潜った時に、自分に注がれる視線に。
刺すような鋭い、恍惚の視線に。
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＊IJu＊(プロフ) - 偽薬さん» こんにちは！まさか偽薬さんからコメントを…！ありがとうございます！自分が書くとどうしても長編になってしまうので、短編が書ける偽薬さんが逆に羨ましいです…(笑)応援ありがとうございます！偽薬さんも自分のペースで作品作り頑張って下さい！ (2021年11月23日 1時) (
レス) @page43 id: c0312d3eb1 (このIDを非表示/違反報告)
偽薬(プロフ) - こんにちは、偽薬です。地の文と会話文のテンポが良く、ストーリーの深め方も魅力的でした！ 長編書けるのとても羨ましいです……応援しています！ (2021年11月22日 23時) (レス) @page2 id: 21f878ceea (このIDを非表示/違反報告)
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