送るんだ ページ5
それからは古城と狩屋の他愛もない話が続いた。
俺はあまり参加せず、時々古城のボケにツッコミを入れる程度しか喋らない。
……いや、入りたいとは思うけれどな。
如何せん、そうすると狩屋の表情が明らかに険しくなるんだ。
多分、狩屋にとって俺は邪魔物なんだろうな。
折角古城と帰れるのに、俺もついてくる羽目になっちゃって。
第一、コイツはあんまり大人が好きじゃないのかもしれない。
ほら、この2人が俺達に何も言わず古城の親父さんの所行った時も、そんな話をしていたような。
それでいて俺が気に入らないとなれば、表情だって険しくもなる。
こんなんじゃ気安く古城に声も掛けられない。
隣に古城がいるってのに……ったく。
……まぁ、いいや。今度デートするし。
「ところで狩屋くん。次の勉強会はいつしましょう?」
「え"っ……それって…その、またアイツ呼ぶの?」
「アイツ、とは陣くんの事ですか?
だとしたら返事は『YES』です。
だって教える人がいなければ、勉強会にはなりませんからね」
「……Aが教えてくれればいーじゃん」
「陣くんの待って来るお菓子が食べたいのです。
あと私もまた出来てない所を教えてほしいのです」
「正直過ぎる……」
そんな話をしている2人の会話を聞いている内に
俺達はあっという間にお日さま園に辿り着いた。
お日さま園に着くと狩屋は何処か安心したような顔をし、対象的にAはしょんぼりと肩を落として俺を見上げた。
ついいつもの癖でその頭を撫でようとしたが
狩屋の存在を思い出して、グッと堪える事にする。
いや、撫でても何も言われはしないとは思う。
……言われはな。
「不動さん。ここまでお送り頂きありがとうございました」
「……あざっす」
「おー、じゃあまた部活でな」
「次はいつ来ますか?」
「さぁて、いつでしょうか?」
「……教えてくれないのです?」
「そうした方が毎日楽しいだろ?」
「その分、来なかった時の気の落ちようが尋常じゃないのですが」
「………すまん」
あんまりにも真顔で言うので、思わず謝ってしまった。
というか、そんな毎日毎日期待するなよな……
俺、何も悪い事してないのに、何だか悪いことしてる気分になるじゃねーか。
まぁ、それでも教えないんだケド。
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*IJu*(プロフ) - 橋本アリィちゃんさん» コメントありがとうございます…!楽しんで頂けたようで良かったです^^更新頑張りますー! (2021年11月4日 1時) (レス) id: c0312d3eb1 (このIDを非表示/違反報告)
橋本アリィちゃん(プロフ) - とても面白かったです!続きを楽しみに待っています!(*´ω`*) (2021年11月3日 4時) (レス) @page50 id: 1849d0f1e6 (このIDを非表示/違反報告)
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