検索窓
今日:2 hit、昨日:18 hit、合計:11,391 hit

やはり待っていたのです ページ31

「不動さん!」



お日さま園を出て、私は足早に駅前に向かった。
だってそこが不動さんとの待ち合わせ場所だったから。

時間的にギリギリかなと思いましたが、セーフ。
待ち合わせ時間ピッタリに着きました。

しかし待ち合わせ場所には案の定、不動さんがもう来ていて、不動さんは私の方を見ると「おっせーよ」と不貞腐れた顔をした。



「どーしてお前はそうやって人を待たせるのかねェ?寒いってーのに何十分も人生の先輩を」

「すみません、服を選ぶのに時間が掛かってしまいまして……」

「………………へぇ」



私に言われてから不動さんはじっと私の格好を上から下まで見遣る。

見られるのはやはり少し恥ずかしい。
それに今日は久々にスカート着てますし。

でも不動さんが見やすいように私はその場で一回転すると、次に見た不動さんの表情は一変して解けていました。



「………似合ってンな」

「本当ですか?」

「ああ。………カワイイ」

「…えへへ」



照れているんでしょうか。
言ってから不動さんは私から目をそらす。

でも言われた私も照れくさいんですよ。
擽ったくって、でも嬉しくて。
思わず頬を綻ばせる。
そうしたら不動さんの頬がほんのり染まったような気がした。


その事を指摘しようとする前に、不動さんの手が伸びる。

雑に私の頭の上に手を置き、ぐりぐりと乱暴に撫でられました。



「…じゃ、さっさと行くぞ。
俺は場所知らないから、ナビは任せたぞ」

「……はい」



……髪の毛、変になってないですよね?

ぐちゃぐちゃになってたらどうしましょう。
頑張っていっぱい梳かしたのに。


でも不動さんはそんな私の事なんて知らん顔。
場所を知らないクセに踵を返して改札の方へと行ってしまいました。

なので私は慌てて不動さんの後を追い掛けた。




「ところで不動さん」

「なんだ?」

「先程『何十分も待たせて』みたいな事言ってましたけれど、私が来たのは時間ピッタリでしたよね?」

「……」

「不動さん、一体何時に来たんですか?」

「………………」

こんな寒い日にだ→←ちょっとだけカワイイのです



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (111 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
48人がお気に入り
設定タグ:イナギャラ , 不動明王
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

*IJu*(プロフ) - 橋本アリィちゃんさん» コメントありがとうございます…!楽しんで頂けたようで良かったです^^更新頑張りますー! (2021年11月4日 1時) (レス) id: c0312d3eb1 (このIDを非表示/違反報告)
橋本アリィちゃん(プロフ) - とても面白かったです!続きを楽しみに待っています!(*´ω`*) (2021年11月3日 4時) (レス) @page50 id: 1849d0f1e6 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:*IJu* | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2020年12月29日 2時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。