予想外の4枚目なのです ページ10
影山くん、狩屋くん、そして最後に私となり、私は内心浮き足立ちながら山菜さんの元へと向かった。
だって中身があの帝国学園との練習試合の敵の写真と言いますと、勿論不動さんのお写真なワケで。
最低でも3枚。
もしかしたら、それ以上。
普段は見られないレアショットなんかもあったらもう、今月のお小遣い全部出してでも貰いに行く覚悟ですから。
｢はい、Aちゃんの分｣
｢ありがとうございます｣
どんなお写真があるのか。
一体どんな不動さんが撮れているのか。
想像しながら山菜さんの元に向かうと
山菜さんは早速私の分の封筒を差し出して微笑んだ。
｢…中身、拝見させて頂いても？｣
｢もちろん｣
｢では遠慮なく…｣
こういうのは部屋に戻ってからの方がいいのでしょうが、私が待ちきれませんので。
山菜さんに一応許可を貰い、早速私は中身を確認。
封筒の中には確かに枚、そのどれもが不動さんです。
1枚目と2枚目はベンチで楽しそうに試合を見ている様子。
3枚目はﾆﾔｯと笑って鬼道さんと一緒に何か企んでいる様子。
そして4枚目は、私と不動さんが帝国学園側のベンチでお喋りしている様子……
｢……………いつの間に｣
｢ステキだったから、つい｣
まさか試合後のシーンも撮られているとは思わず
予想外の4枚目を見て目を白黒させる。
普通だったら盗撮……と捉えられても可笑しくないかもしれませんが、コレは仕方ありませんね。だってステキですもん。はい。
オレンジ色の夕日。その下でベンチで隣合う私と不動さん。
この時はなんのお話をしているんでしたっけ。
私の頭の上に不動さんの手が乗っかった状態です。
なんというベストショット。
コレは今月のお小遣い以上の価値があります。
｢幾らですか？｣
｢プレゼント｣
｢またまた御冗談を｣
｢ほんと｣
｢…………ホントですか？｣
なのにお金はいらないと山菜さんは言うのです。
ビックリです。
私はつくづく先輩に恵まれているのです。
｢Aちゃんのその顔見れたから、満足｣
｢…私、なんか変な顔してました？｣
｢うーん、写真で撮りたかった顔してた｣
｢……に、ニヤケ顔だったりしてないですよね？｣
｢………………ヒミツ｣
写真に撮りたい顔と言ったら、相当酷い顔をしていたんでしょうか私。
でも聞いても山菜さんは答えてくれませんでした。
ただ、にこにこ満足そうに笑っていました。
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＊IJu＊(プロフ) - 橋本アリィちゃんさん» コメントありがとうございます…！楽しんで頂けたようで良かったです^^更新頑張りますー！ (2021年11月4日 1時) (
レス) id: c0312d3eb1 (このIDを非表示/違反報告)
橋本アリィちゃん(プロフ) - とても面白かったです！続きを楽しみに待っています！(*´ω｀*) (2021年11月3日 4時) (レス) @page50 id: 1849d0f1e6 (このIDを非表示/違反報告)
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