広がってるんだ ページ22
「なっ……なんだ、円堂？どうした？」
「それはこっちのセリフだぞ？
さっきから何度も呼んでるのに全然返事しないで」
……どうやら俺はいつの間にか狩屋達の話を盗み聞くのに夢中になっていたようだった。
すぐ謝ると円堂は「考え事か？」と心配そうな顔をするので、俺は首を横に振ると、円堂は不思議そうな顔をしながら、また話を戻した。
向こうの話に耳を傾け過ぎたか……
でも仕方ないだろ。だって古城の事だったから。
まぁ……とりあえず、今の所は俺達の事は大丈夫そうだな。
向こうは上手く騙せてるみたいだし。
ならそう気にする事もないだろう。
寧ろ、あんまり気にしていると逆に怪しまれる。
古城の意図を察してやり、本人に尋ねる事もせず
その日はまたいつも通りの練習風景を眺めた。
−−−
「なんか雷門のマネの中に帝国学園サッカー部の部員の誰かが好きなヤツがいるらしい」
3日後、帝国学園での事。
いつも通り練習前、鬼道達が来る前の準備時間中
ふと、そんな話を耳にしてしまった。
スマホを弄っていた俺の指が思わず止まる。
なんか、前にも聞いたような話だ。
どうしてこんな話を俺の耳は拾ってしまったのだろう。
続きが気になってしまい、俺はいつしかのようにそっと耳を傾けた。
「雷門の……？それって誰だ？4人いるだろ？」
「確か……ほら、あの無表情のヤツ」
「(マジか…………)」
……多分、アイツらが噂しているのは十中八九、古城の事だろう。
ついこの間まで狩屋達が話していた話しがまさか帝国学園にまで流れて来るとは。
これはきっと雷門サッカー部の誰かが帝国のサッカー部員に流したな。
「へぇ……アイツ、人の心あったんだな」
「表情変わらないだけで結構アクティブに動きますからねぇ、あの子」
「因みに…誰なんだ？」
「さぁ？向こうも知らないみたいだ」
「なんだソレ」
まさかこっちにまで噂が広がるとは思ってなかったが
こっちもこっちで古城の好きな人(仮)が誰なのかは分からないらしい。
厳格な鬼道の指導の元、日々鍛錬を続ける帝国学園サッカー部だが、中身はまだまだ思春期男子。
古城の好きな人が誰なのか。
気にしてる奴も話している中にいて、カワイイもんだぜ。
まぁ、古城が好きなのは俺なんだケド。
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＊IJu＊(プロフ) - 橋本アリィちゃんさん» コメントありがとうございます…！楽しんで頂けたようで良かったです^^更新頑張りますー！ (2021年11月4日 1時) (
レス) id: c0312d3eb1 (このIDを非表示/違反報告)
橋本アリィちゃん(プロフ) - とても面白かったです！続きを楽しみに待っています！(*´ω｀*) (2021年11月3日 4時) (レス) @page50 id: 1849d0f1e6 (このIDを非表示/違反報告)
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