△リボンが289こ▽ ページ47
「＿＿＿なんだって？」
真名部の言葉に初老の男性が酷く驚いた様子で聞き返す。
驚き過ぎて腰を半分椅子から浮かしかけた程だ。
すぐに座り直してから「どういう事だ？」と真名部に話を催促する。
真名部は言葉を間違えないよう、慎重になりながらも話を続けた。
「……実は、誘拐されたのは……僕だけじゃなかったんです。彼女も、また……僕と同じように…誘拐されて……」
「しかし、当時誘拐されたという通報は真名部くんの1件しか……」
「ええ、それもそうでしょう。
彼女は母親に……その、虐待を……されて、いたようで」
「虐待……」
話を信じてくれたのだろうか。
初老の男性の表情が半信半疑だった。
若い男性もこちらを窺うような視線だ。
母だけが鵜呑みにしているのか、虐待された彼女を想像して胸を痛めているようだった。
「まぁ……なんて酷い……」
「でもどうしてその事を？」
「彼女とは…同じ部屋に閉じ込められていたので。
色々……色々と、話したんです。
その話では、彼女は母子家庭で毎日殴られている、と……まぁ、きっとあの様子じゃ……本人は虐待されているなんて、思っていないでしょうけれど」
「……それに何故キミ達は外に出ているんだい？
何処かに閉じ込められていたりはしなかったのか？」
「外に出ているのは……僕達が、逃げたからです。
その…閉じ込められていた所から」
「逃げた……？脱走出来たって事ですか？」
「……はい。何とか彼女と協力して……」
「それで……デパートで買い物を？」
「ええ……彼女の靴、自分の足に合ってないサイズの靴を履いてて……気になったので」
「でもそうなるとお金はどうしたんですか？」
「お金は逃げ出す時……ついでに奪ったんです。
結構な額だったので、それで暫くは過ごせました」
「ふぅむ……？」
少し無理矢理な展開だっただろうか。
何せ嘘と本当を織り交ぜた話だ。
矢継ぎ早に尋ねる2人に真名部は度々言葉を詰まらせながらも、何とか応えると、初老の男性が1つ息を吐いた。
不安で堪らない。
変な汗が背中に伝う。
心臓はもう鳴りっぱなしだ。
彼女の正体がバレてしまわないか、気が気でなかった。
ただここでの唯一の救いはすぐに『嘘だ』と一蹴されなかった事だ。
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＊IJu＊(プロフ) - 莉央夏さん» ストーリーは前々から薄ら出来上がっていたので、書いちゃいました()まだお話をまとめている途中なのでパスかけてありますが、お話が固まり次第公開しようと思いますので、気長に待って頂けると……！更新頑張ります！ (2021年5月18日 22時) (
レス) id: c0312d3eb1 (このIDを非表示/違反報告)
莉央夏 - 「箱庭少女の孤高哀歌」のその後を書いていただきありがとうございます！パスワードがかかっている為まだ見れていませんが無理なさらず投稿して下さい！応援してます♪ (2021年5月18日 18時) (レス) id: e85eafe245 (このIDを非表示/違反報告)
莉央夏 - ありがとうございます！気長に待ちますね！無理だけはなさらずに！ (2021年5月12日 8時) (レス) id: e85eafe245 (このIDを非表示/違反報告)
＊IJu＊(プロフ) - 莉央夏さん» ですが、まさかこうしてわざわざ御希望のコメントを貰うとは……！ちょっと前向きに考えてみますね！ (2021年5月11日 23時) (レス) id: c0312d3eb1 (このIDを非表示/違反報告)
＊IJu＊(プロフ) - 莉央夏さん» 他の作品も掛け持ちしてるし、まだまだ書きたい作品があるので優先順位が自分の中でどんどん後ろに追いやられている状態です…… (2021年5月11日 23時) (レス) id: c0312d3eb1 (このIDを非表示/違反報告)
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