△リボンが265こ▽ ページ23
次に真名部が目を覚ました時、外はもう随分と暗くなっていた。
真っ暗な部屋の中で目を覚ました真名部は、まだ覚醒し切っていない頭でおもむろに周りを見渡した。
よく整理整頓された部屋。
柔らかなベット。
窓から差し込む月明かり。
真名部はメガネを押し上げて目を擦ると、壁掛け時計で現在時刻を確認しようとした。
「…………っ？！」
瞬間、真名部は勢い良く起き上がり、目を見開く。
一瞬、自分は誘拐されたはずなのに、と頭が混乱してしまった。
しかし、無事家に帰された事も思い出して、真名部は1つ息を吐く。
飛び起きた拍子にズレたメガネの位置を正すと、おもむろに窓から外を眺めた。
雲ひとつない、真っ暗な空だった。
そこにポツンと欠けた月が浮かんでいた。
星はほとんどが地上の光に負けてほとんど見えず
ポツポツとしか見えない、寂しい空だった。
「(……Aさん、今どうしているでしょうか)」
ふと浮かぶ、彼女の顔。
真名部は窓辺に歩み寄ると、空を見上げながら考える。
自分1人、こうして帰されてしまったが、Aは当然この事は知らないだろう。
未だに彼女は真名部の事を待ってくれているのだろうか。
それとも、寂しくて自分で自分を傷付けて誤魔化してしまっているのだろうか。
病気の事も心配だ。
真名部が出る前から眠っていたが、もう熱は下がっただろうか。
喉の痛みは無くなっただろうか。
もしかしたら更に悪化しているかもしれない。
考えれば考える程、心配だった。
今すぐにでも帰りたい。
彼女の元に帰りたい。
でも、真名部はそれと同時に
折角帰って来たこの家に残りたい、とも思った。
だって確信してしまったから。
自分が再び此処を出て行ったら、また両親は自分を探してしまう事を。
友人達が自分を探してしまう事を。
自分は自分で考えているよりずっと大事にされている存在なのだと改めて理解してしまった。
瞬木の言う通り、自分がまた出て行ったら、周りに心配を掛けてしまう。迷惑を掛けてしまう。
でもだからって、Aを放っておくわけにもいかなかった。
病気なのもあるが、何より真名部が彼女の傍にいたかったから。
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＊IJu＊(プロフ) - 莉央夏さん» ストーリーは前々から薄ら出来上がっていたので、書いちゃいました()まだお話をまとめている途中なのでパスかけてありますが、お話が固まり次第公開しようと思いますので、気長に待って頂けると……！更新頑張ります！ (2021年5月18日 22時) (
レス) id: c0312d3eb1 (このIDを非表示/違反報告)
莉央夏 - 「箱庭少女の孤高哀歌」のその後を書いていただきありがとうございます！パスワードがかかっている為まだ見れていませんが無理なさらず投稿して下さい！応援してます♪ (2021年5月18日 18時) (レス) id: e85eafe245 (このIDを非表示/違反報告)
莉央夏 - ありがとうございます！気長に待ちますね！無理だけはなさらずに！ (2021年5月12日 8時) (レス) id: e85eafe245 (このIDを非表示/違反報告)
＊IJu＊(プロフ) - 莉央夏さん» ですが、まさかこうしてわざわざ御希望のコメントを貰うとは……！ちょっと前向きに考えてみますね！ (2021年5月11日 23時) (レス) id: c0312d3eb1 (このIDを非表示/違反報告)
＊IJu＊(プロフ) - 莉央夏さん» 他の作品も掛け持ちしてるし、まだまだ書きたい作品があるので優先順位が自分の中でどんどん後ろに追いやられている状態です…… (2021年5月11日 23時) (レス) id: c0312d3eb1 (このIDを非表示/違反報告)
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