陣くんなのです ページ41
「Aっ……！」
「陣くん…！」
こちらに向かって来ていたのは陣くん。
陣くんも全速力で来たのか、私達の所に着く頃にはヘロヘロで。皆帆くんの時と同じく咳き込み、暫く話せない状態だった。
そんな様子を見て狩屋くんは「お前もかよ……」とボヤく。
仕方ないんです。この2人は運動とは無縁なのですから。
「お久しぶりです、陣くん」
「お、おひっ……お久しぶ、りっ……ｺﾞﾎｯ！ち、ちょっと、待ってて、下さいね……」
「陣くんは皆帆くんに頼んで私達を足止めしに来たんですか？」
「は、はひっ……そ、で……ｺﾞﾎｯｺﾞﾎｯ！A、ちょっと待っ……」
「因みに瞬木くんも来たりしませんか？
あの人にも連絡返してみたんですが、既読スルーなんですよね」
「へっ…？ま、瞬木、くん……？し、しら、しらっなっ……」
「A、待ってあげて。真名部くん酸欠で死んじゃう」
ああ、ちょっとからかっていたんですけれど
死んでしまわれたら流石に嫌なので、これ以上はやめましょう。
必死に酸素を取り込む陣くん。
暫くは息が整いそうになかったので、何か話そうかなと思っていたら、私が口を開くよりも先に狩屋くんがふと疑問に思った事を尋ねてきた。
「……ねぇ、なんでアンタらこんな時間にわざわざ此処に来たの？」
「ああ、さっきAから連絡が返って来たんだ。
暫く連絡返って来なかったから心配してた矢先に、いつも通りに返されたから。本当に平気なのか顔見たかったんだって」
「で、お前は俺達の足止め役をやらされたの？」
「うーん、半分正解。半分は僕自身も心配してたからね」
「ふーん……こんなクソ寒いのによく付き合ってられんな」
「キミも同じ立場だったらやっていただろう？」
「…………」
そんな話をしていたら、ようやく呼吸が整った陣くん。
最後に1つ息を吐いて私の方を向くと、怒ったような顔をする。
ああ、これはお説教されるんですかね。
「……A、前にも言いましたよね？ちゃんとお返事して下さいって」
「……すみません」
「心配してしまうんですからね？いつもなら、そっちから一方的に話すようなイナラインをしてるのに、そんな人から急に連絡が来なくなるのは。また電源切ってたんですか？」
「いえ、そうではないです。……けど、」
……何とも、言いづらい。
正直に『父が亡くなって立つ事すら困難になるほど落ち込んでいた』なんて言ったら、どんな顔をされてしまうんでしょうね。
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＊IJu＊(プロフ) - 白銀さん» コメントありがとうございます！楽しんで頂けて嬉しいです^^更新頑張りますー！ (2021年11月27日 23時) (
レス) id: c0312d3eb1 (このIDを非表示/違反報告)
白銀 - めっちゃ好きです。頑張ってください！ (2021年11月25日 0時) (レス) @page4 id: e22066a027 (このIDを非表示/違反報告)
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