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心配で堪らないんだ ページ27

「……なんで急に、親父さんの住んでた所に住みたいと思ったんだ?」

「何となく……ですかね。
お父さんの住んでいた所をもっと良く見てみたいなって」

「親父さんの地元とかでもないのに?」

「確かにお父さんの地元ではないですね。
……でも海が近くにある所だったって、昔お父さんが言ってました。多分、あの病院に入院したのもそれが理由なんでしょう」

「幼馴染クン達はどーすんだ?
その話したら泣くぞ」

「そんなに離れていませんし、何も会いに行かないってわけでもありませんから。長期休みの度に帰ろうとは思ってます。出来れば」

「……向こうに知り合いとかいるのか?
いなかったらお前1人だぞ?」

「そうですね。誰も助けてくれませんね」

「…………そもそもお前、1人暮らし出来るのか?」

「慣れるまで頑張るしかありませんね」

「……」



……何だ、コイツ。
色々ぼんやりし過ぎだろ。
本当に今さっき決めたんだな、コイツ。


適当というか、いい加減というか。
突拍子もない話に俺は内心、不安で堪らなかった。

そもそも、古城は1人でいるのが苦手だ。
俺が数十分、古城を親父さんの家に置いて買い物に行って戻ったら泣き付かれたくらいだ。

人と一緒にいても、慣れない所だと親父さんのように知らぬ間に勝手にいなくなるんじゃないかって不安になって眠れなくなるぐらいなのに。


そんな彼女が1人暮らし?
しかもお日さま園と離れた所で?

1日で戻って来るだろ、絶対。



「……慣れるまで、ってどれくらいだ?」

「さぁ……?わかりません」

「何か困った事があってもすぐには駆けつけてやれねーぞ?」

「そこまで急を要するような困った事は起こらないと思いますが……まぁ、そうですよね」

「向こうの学校でちゃんとお友達作れるか?
雷門みたいにお人好しばっかりじゃないし、幼馴染くんみたいに過保護な坊やもいないんだ」

「最近は表情筋が動いてくれるので、少しはマシになるかと思います。
……女の子が相手だと、ちょっと不安ですけれど」



なんだろう。本当にいい加減。

多分深く考えてないんだろうな。


そのせいか返事も曖昧に聞こえてしまって、俺の苛立ちが募る。

こんな事に苛立ってどーすんだって思うだろうが仕方ない。こっちはこっちで心配なんだ。

今じゃなくてもいいんだ→←予想してなかったんだ



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*IJu*(プロフ) - 白銀さん» コメントありがとうございます!楽しんで頂けて嬉しいです^^更新頑張りますー! (2021年11月27日 23時) (レス) id: c0312d3eb1 (このIDを非表示/違反報告)
白銀 - めっちゃ好きです。頑張ってください! (2021年11月25日 0時) (レス) @page4 id: e22066a027 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:*IJu* | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2021年11月5日 14時

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