気持ち悪いヤツなんだ ページ21
「じゃあ、コレは私が持ってます」
そう言って古城はクラゲのキーホルダーを大事そうに胸の前で握り、微笑む。
そんな彼女の頭を撫でてやると、古城はまた嬉しそうに笑って俺に凭れかかった。
「……そう言えば不動さん。不動さんはどうしてこんな時間に此処に?」
「お前が心配だからに決まってんだろ。
で、ちょっと顔見に来たんだ」
「しん……ぱい?不動さんが?私の心配を?」
「……なんだよ?」
「ああ、いえ……えへへ、その……なんでも……えへ」
「き、急に笑いやがって……気持ち悪いヤツ……」
一通り吐き出して、スッキリしたんだろうか。
すっかりいつもの古城に戻ったようだ。
俺のうっかり発言に泣き腫らした顔でニヤニヤ笑いやがって。でも流石に今回のは心配だってするだろ。
そこは事実だし……その、ちょっとふにゃふにゃ笑ってる顔が可愛いから、何も言わずにそっぽを向いたら
古城はニコニコ笑ったまま俺にくっついて来た。
と、次の瞬間。
『グゥゥゥウウウウ』と盛大に古城の腹が鳴り響き、俺達は一瞬固まった。
そうして古城は慌てた様子で自分のお腹を抑え、俺を見上げる。
驚いた後に本当にいつも通りに戻った古城に呆れてしまうと、古城はブワッと顔を真っ赤にさせ、小さく縮こまってしまった。
そういや、まともにメシ食ってなかったんだっけな……
「…………メシ、食ってこい」
「減ってないです」
「何強がってんだ。腹減ってんだろ?」
「減ってないです。違います。お腹なんて鳴ってません」
今のは相当恥ずかしかったんだろうか。
こっちとしては『今更?』って話なのだが。
古城は膝を抱えて顔を埋め、喋る度に足をバタつかせながら何故か抵抗する。
その間もさっき程ではないが彼女の腹の虫は鳴り響く。
とりあえず、このまま話していても頑固な彼女は認めないと思うので、部屋を出て下の階に行こうと思い、おもむろに立ち上がる。
そうしたら案の定、古城は「何処に行くんです」と俺の服の裾を掴むので「帰る」って嘘ついたらついて来た。
ただ、ずっと俺の腕に抱きついたままで。
そんな状態で部屋の扉を開けたのだが
直後に「うおっ?!」って声がして、俺達は立ち止まる。
「で、出て来た……」
「もーーっ!だから言ったのに!
なんですぐ動かないワケ?!」
部屋の前にはいつからいたのか、狩屋とあー……赤い頭の男が立っていて、古城はサッと俺の後ろに隠れ、俺は溜息を吐いた。
58人がお気に入り
「オリジナル」関連の作品
Dear 32nd Birthday(Tatsuya.F)
【 5/11始動 】 神殺しの聖マリア 【 #戦闘×#バディ 募集企画 】
Flower field. 【CSS配布】
この作品を含むプレイリスト ( リスト作成 )
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
*IJu*(プロフ) - 白銀さん» コメントありがとうございます!楽しんで頂けて嬉しいです^^更新頑張りますー! (2021年11月27日 23時) (レス) id: c0312d3eb1 (このIDを非表示/違反報告)
白銀 - めっちゃ好きです。頑張ってください! (2021年11月25日 0時) (レス) @page4 id: e22066a027 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ