ようやくなんだ ページ19
「……………本当に、そうなんですか？」
ふと、古城は小さく口を開く。
流れる涙を自分の腕で拭って、顔を上げると古城は俺に尋ねた。
「……本当に……お父さんは、私に…会いたかったんですか？
お父さんは……私に、会いたがっていたんですか？」
「当たり前だろ？でなきゃお前が来ても毎日門前払いしてただろうさ。最悪、病院出禁になってたと思うぜ？」
「でも……でも、私、は……」
「知ってるか？お前の親父さん、お前が親父さんにベタ惚れだって知った時、それはそれはもう嬉しそうな顔してたんだぜ？お前に恨まれてるだろうってずっと思ってたみたいだからなぁ。
あん時の顔、お前の親相手だが流石に妬けちゃったね」
「………知らなかった……」
最初はｸﾞｽｸﾞｽ鼻を鳴らしながら聞いていたが
最初よりは落ち着いたのか、今の返しはいつもの調子に少し近かった。
神妙な面持ちで呟く古城。
その後、視線を落として俯く。
何か考えているのだろうか。
その頭を撫でてやると、彼女は再び顔を上げて、俺を見上げた。
「…………じゃあ、お父さんは私の事、嫌いじゃない
…………って、事ですか？」
「あの性格なら、嫌いだったらそもそも会わないだろうさ。古城もそうだろ？」
「……お父さんは、私の事、好きだったんですか？」
「お前と同じぐらいにな」
「…私、会いに行っても、良かったんですか？」
「結果的には良かったんじゃねーか？
お前の親父さんもなんだかんだ言って喜んでたみたいだしよ」
「………………そっかぁ、」
彼女の問い掛けに応える度に、長い前髪で隠れ気味の彼女の瞳に、光が戻っていくような気がした。
最後には心底安心したかのように胸を撫で下ろすと
ようやく彼女はいつもの愛らしい表情を取り戻してくれた。
ったく……世話の焼けるお姫様だ。
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＊IJu＊(プロフ) - 白銀さん» コメントありがとうございます！楽しんで頂けて嬉しいです^^更新頑張りますー！ (2021年11月27日 23時) (
レス) id: c0312d3eb1 (このIDを非表示/違反報告)
白銀 - めっちゃ好きです。頑張ってください！ (2021年11月25日 0時) (レス) @page4 id: e22066a027 (このIDを非表示/違反報告)
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