心配なんだ ページ11
練習が終わった後、俺は駆け足でお日さま園に向かった。
目的は勿論、古城の事だ。
いつか来るとは思ってた。
古城の親父さんが余命1ヶ月もないっつってたから。
でも、だからってそんな。
折角親父さんが希望の手紙を古城に書いたのに。
古城はその手紙の言葉を信じていたんだぞ。
なのにそんな………そんな。あんまりだ。
せめて手紙の約束は守れってんだ。
「(古城……変な気起こさないといいが……！)」
心配だ。アイツ、親父さんの事になるといちいちオーバーだから。いつもより更に意固地になってしまうから。
狩屋の話を聞く限り、相当落ち込んでいるんだろう。
あの古城が飯もまともに食ってないとか異常過ぎる。
アイツが突拍子もない事する前に話をしないと……！
お日さま園に着いた俺はインターホンを鳴らす。
するとそこから聞き覚えのある「はい？」の返事。
きっとあの目つきの悪い赤髪の野郎だろう。
「悪ィ、古城と話したいんだ。中に入れてくれないか？」
『……ああ、お前。誰かと思えばロリコン野郎か』
「今はそんな事言ってる場合じゃねぇんだ！
頼む！中に入れてくれ！」
『ダメだ』
「なっ……」
古城に一目会いたくて。彼女の安否を知りたくて。
慌てているとはいえ、この時の俺は口調が多少荒かった。
しかしヤツは通してくれず、俺は思わず言葉を詰まらせる。焦りが先行してイライラしてしまい、反射的に「なんでだよ？」と尋ねると、ヤツは答えた。
『Aは今、具合が悪いんだ。だからダメだ』
「っ……」
『話があるなら代わりに聞いてやる。
ちゃんとアイツに伝えてやるから話せ』
……そうか。少し考えればわかった事だ。
お日さま園内で古城の親父さんの事は、おそらくヒロト以外知らない。
ならば古城が学校を休んでいる理由を知っている者もいないだろう。大抵が体調不良か、塞ぎ込んでいるのか。そう考えるはずだ。
どちらにしろ、会わせてくれるはずがない。
「(っクソ……どうすればっ……！！)」
「……何してんスか、人ん家の前で」
何とか会える方法はないかと、俺は思考を巡らせていると、不意に声を掛けられ俺はそちらを見遣る。
そこにはいつの間にか狩屋が怪訝そうな顔をして立っていた。
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＊IJu＊(プロフ) - 白銀さん» コメントありがとうございます！楽しんで頂けて嬉しいです^^更新頑張りますー！ (2021年11月27日 23時) (
レス) id: c0312d3eb1 (このIDを非表示/違反報告)
白銀 - めっちゃ好きです。頑張ってください！ (2021年11月25日 0時) (レス) @page4 id: e22066a027 (このIDを非表示/違反報告)
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