△▽ ページ42
「…酷い、事件だったよね」
事件のファイルを一目見て、彼女は何とも言えない顔でﾎﾟﾂﾘと呟く。
この事件は多数の犠牲者と犯人達の行動の奇怪さ、そしてメディアが面白半分で謳った2人の親密な関係に世間が注目し、当時は大きな話題となった。
彼女もソレを知る1人で、よく資料を見なくても事件の大まかな内容は未だに覚えていた。
「犠牲者は計13人…しかも犯人と被害者まで亡くなって。結局、何が目的だったのか分からず仕舞い…
ただ、犯人の藍染Aは母親から虐待されていたみたいだし…もしかしたら、そのせいで狂っちゃったのかもね。
確か言動もまるで小さな子供みたいで…」
「…いいえ、」
事件は惨たらしいものだが、しかし犯人の背景を知ると『仕方ない』と思ってしまう部分もある。
実際、Aは父親が亡くなった後、母親に暴力を振るわれ、学校にも通わせて貰えなかったと言う。
そのせいで言動が歳の割に幼かったそうだ。
彼女もそこには同情してしまう。
だが皆帆はそれをハッキリと否定すると
ファイルを閉じて顔を上げた。
「彼女は…藍染Aは、狂ってなんかいなかった」
「えっ…？」
「あの人は狂った
そうやって周りを…真名部くんを惑わせた」
彼女の方を見る皆帆。
その瞳には怒りが含まれているようで
話している内容も相俟って彼女は目を白黒させた。
「どうして、そう思うの？」と恐る恐る尋ねると
皆帆はファイルに再び視線を落として、言葉を続けた。
「…観察していれば、わかりました」
「か…観察？」
「本当は誰よりも自分達の状況を理解していた。
でもソレを子供っぽい言動で誤魔化していたんです。
自身の罪も、それによって下される罰も。
きっと、誰よりも理解していた。
だから、それらから逃れる為に真名部くんを誑かしたんです」
幼い子供は無邪気だ。
無垢で、守らなくてはならない存在だ。
そんな子供のふりをして接すれば、優しい真名部は感化される。例え見た目が年上でも、虐待の背景を知れば言動の幼さも納得され、同情され、そうして加護欲を掻き立たせる事も出来たかもしれない。
真名部はソレもあって、あの人に依存してしまったんだ。
だから彼はあの人から離れなかった。
だって自分がいなくなったら
あの人を守る人がいなくなってしまうから。
そうじゃなければなんだと言うのだろう？
本当に誘拐犯に�猯��瓩任發靴討靴泙辰燭噺世Δ里世蹐Δ�？
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＊IJu＊(プロフ) - キジバトさん» 初めまして！コメントありがとうございます^^楽しんで頂けているようで良かったですー！作者無計画なんでこの章で終わるかはわかりませんが、でも終わりが近付いているのは確かなので、是非最後まで楽しんで頂けたら…！更新頑張ります！ (2021年12月24日 0時) (
レス) id: c0312d3eb1 (このIDを非表示/違反報告)
キジバト - 初めまして！この作品めちゃめちゃ大好きです！文章もすっごい神だし、真名部の心の動きとかがすごく丁寧に書かれててすごく面白いです！クライマックスなのはちょっと寂しいですが，そのまま最後まで頑張ってください…！応援してます！ (2021年12月23日 1時) (レス) @page1 id: 7552df8542 (このIDを非表示/違反報告)
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