△リボンが370こ▽ ページ30
「＿＿＿＿真名部くんっ！」
異様な空気の中、警官に庇われていた皆帆が身を乗り出した。
途端に2人の視線がこちらに向いた。
1人は目を見張り、1人は眉間に皺を寄せて警戒しているような表情だった。
慌てて警官は止めようとするが、皆帆は構わず続けた。
「お願い！これ以上、抗うのはやめて！
このままじゃ……このままじゃ……！」
皆帆はもう嫌だった。
目の前で親友が犯罪者になる所を見るのは。
これ以上、罪を重ねられるのは。
皆帆はわからなかった。
彼が一体、どういう感情でここまで暴れてしまったのか。
取り返しのつかない所まで来てしまったのか。
真名部は被害者だった。
ある日突然誘拐され、何処かに閉じ込められた。
それがどうして、こうなってしまったのだろう。
彼はどうして、血濡れのナイフを手にしているのだろう。
未だに彼は彼女を想い続けている…？
自分の心を守る為の防衛本能で？
それとも彼は本当に、心の底から彼女の事を好きだとでも言うのだろうか。
だがそれにしたって、ここまではやり過ぎだ。
そもそも本当に相手を想っているのなら、罪を償わせようとするものではないのだろうか？
それなのに、彼女が出頭しようとした時も
自らの首にナイフを突き立ててまで自分側に引き戻そうとしたり。
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今だって、さっきまであんなに怒り狂って暴れていたのに
彼女が動き出した途端に、皆帆の知る真名部に戻って、あんなに嬉しそうに笑って。
人間観察が得意な皆帆だから、わかった。
理解してしまった。
真名部のあの言動には、何一つ嘘がないと言う事に。
「……つまり、何です？
抵抗しないで黙って捕まれって言うんですか？」
皆帆の呼び掛けに真名部の表情が険しくなった。
睨むように皆帆を見遣ると、ナイフを持つ手に力が込もる。
言葉を間違えれば、自分も殺られる。
そんな圧が感じられた。
「そういう事じゃない…！」
「じゃあ、どういう事なんですか？
こっちだって好きで暴れてるワケじゃないんです。
ただ、アナタ達が邪魔をするから…！」
「だからって周りを傷付けてもいいの？！
このままじゃ取り返しがつかなくなる所まで来てしまうよ！」
「だったら……！」
「第一！これ以上抗ったって何の意味もないじゃないか！
隣の彼女を見てよ！そのままじゃ死んじゃうんだよ？！」
「っ……！？」
そこで初めて、真名部の瞳が大きく揺らいだ。
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＊IJu＊(プロフ) - キジバトさん» 初めまして！コメントありがとうございます^^楽しんで頂けているようで良かったですー！作者無計画なんでこの章で終わるかはわかりませんが、でも終わりが近付いているのは確かなので、是非最後まで楽しんで頂けたら…！更新頑張ります！ (2021年12月24日 0時) (
レス) id: c0312d3eb1 (このIDを非表示/違反報告)
キジバト - 初めまして！この作品めちゃめちゃ大好きです！文章もすっごい神だし、真名部の心の動きとかがすごく丁寧に書かれててすごく面白いです！クライマックスなのはちょっと寂しいですが，そのまま最後まで頑張ってください…！応援してます！ (2021年12月23日 1時) (レス) @page1 id: 7552df8542 (このIDを非表示/違反報告)
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