△リボンが351こ▽ ページ11
「にしてもお2人さん、よく見たら未成年かァ？遠目からみたら成人かと思って声を掛けちまったが……おっちゃん所のお店は大人じゃないと入れないからなァ」
「いやぁ、すまんすまん」と悪びれる様子もなく謝る男。そんな事で呼び止められたのかと内心真名部は苛立ちつつも、自分達が傍から見れば成人で見える事に少しだけ安心した。
対してAは話がわかっていないのか、首を傾げながらも笑うばかり。
「お店入れないの？」と尋ねるAに男は少し考えるような素振りを見せた後、何を思ったのかおもむろに惣菜袋を取り出した。
「悪いなお嬢ちゃん。お詫びと言ってはなんだが、サービスでおっちゃんオススメの焼き鳥5本セット格安でプレゼント！」
「(お金取るのにプレゼント、って……)」
「えっ？！いいの？！」
「いいってンよ！そうだなぁ……1本20円でどうよ？」
「20円…！……って、事は、20が5つで……
0はそのままだから……100円！」
「あってる？」と不意に計算の確認を取るために真名部に話し掛けるA。
急だったので思わず真名部は驚いてしまったが
「はい、あってますよ」と頷くと、Aは満足そうな顔をして再び男に向き直った。
そうこうしている内に男は焼き鳥を惣菜袋に詰めたようだった。
真名部はこっそり溜息を吐いてから財布から100円を取り出し支払うと、Aが男から惣菜袋を受け取り「いいニオ〜イ！」と嬉しそうな顔をした。
「……ありゃ？」
「っ……」
そのまま真名部はAを連れて、足早に去ろうと思った。そうしようとしたのに。
直前に男が何かに気付いたのか、真名部の顔を凝視しながら眉を顰めた。
途端にひんやりとした汗が真名部の背中に伝う。
男の方を見れなくて、視線を落とし、帽子を深く被り直す。
そんな真名部を知ってか知らずか。
Aは真名部の代わりに男に「どうしたの？」と尋ねる。
その時、偶然だろうか。
1歩前に出て真名部の前に立ったので、背中に隠して庇っているようにも見えた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 35人がお気に入り
お気に入り作者に追加
「オリジナル」関連の作品
この作品を含むプレイリスト ( リスト作成 )
この作品を含むプレイリスト 
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
＊IJu＊(プロフ) - キジバトさん» 初めまして！コメントありがとうございます^^楽しんで頂けているようで良かったですー！作者無計画なんでこの章で終わるかはわかりませんが、でも終わりが近付いているのは確かなので、是非最後まで楽しんで頂けたら…！更新頑張ります！ (2021年12月24日 0時) (
レス) id: c0312d3eb1 (このIDを非表示/違反報告)
キジバト - 初めまして！この作品めちゃめちゃ大好きです！文章もすっごい神だし、真名部の心の動きとかがすごく丁寧に書かれててすごく面白いです！クライマックスなのはちょっと寂しいですが，そのまま最後まで頑張ってください…！応援してます！ (2021年12月23日 1時) (レス) @page1 id: 7552df8542 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
