△リボンが342こ▽ ページ2
「(こんな時間にカーテンなんて…珍しい。
粘着テープを取ってからは昼間は開けていたのに)」
真名部が言うように、明るい内は普段はカーテンを開けている。Aがそうしたいと言うからだ。
勿論、真名部もそうだ。寧ろ、明るい昼間からずっとカーテンを閉めていると、部屋が暗くジメジメした印象を受けて嫌だった。
そうして今まで昼間にカーテンを閉める事はなかったのに。真名部は不思議に思った。
自分が眠ったからわざわざ部屋を暗くしてくれた……？
でも今までも何度か昼間に寝ていたが、そんな事はなかったはず……
じゃあ、彼女自身が眠かったから……？
いや、彼女は例え明るい所でも眠れる子だ。
わざわざ部屋を暗くする必要性はないし、本人もしないだろう。
そうなると、他に考えられるのは……
「(……誰かに、覗かれていた？)」
ふと、そんな考えが頭を過ぎる。
Aは絶賛お尋ね者。
真名部は誘拐された被害者として顔が知られている。
此処は住宅地。人の目はある。
特に近所の住民の中に昔からAを知る人物がいるかもしれない。
そうしてテレビで事件を知って、わざわざ外から確認しに来た人がいるのかもしれない。
あるいはAを捜索する人物がこの辺を彷徨いているかもしれない。
もしかしたら、昨日真名部が家を抜け出した時に跡を付けられていて、誘拐犯である彼女のこの家を特定されてしまったのかも。
様々な憶測が頭の中で飛び交い、真名部はｻｯと血の気が引いた。
1度考えたら、もうそうとしか考えられない。
ああ、自分はなんて浅はかな事をしたんだろうと頭を抱えた。
「(どうしてこの可能性を考えなかったんだろう……！
ああ、どうしよう……Aさんが捕まったら僕のせいだ…！！)」
頭を抱えて暫く真名部は静かに悶えた。
己の軽率な行動で彼女が警察に捕まる所を想像して、どうにかなりそうになった。
それだけは、それだけは真名部は避けたかった。
『このまま此処にいても捕まる』
しかし、現状考えられる未来がもうそれしか考えられない。
真名部は長い長い溜息を吐いてから
自分のお腹の上で気持ち良さそうに眠るAの肩を揺すった。
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＊IJu＊(プロフ) - キジバトさん» 初めまして！コメントありがとうございます^^楽しんで頂けているようで良かったですー！作者無計画なんでこの章で終わるかはわかりませんが、でも終わりが近付いているのは確かなので、是非最後まで楽しんで頂けたら…！更新頑張ります！ (2021年12月24日 0時) (
レス) id: c0312d3eb1 (このIDを非表示/違反報告)
キジバト - 初めまして！この作品めちゃめちゃ大好きです！文章もすっごい神だし、真名部の心の動きとかがすごく丁寧に書かれててすごく面白いです！クライマックスなのはちょっと寂しいですが，そのまま最後まで頑張ってください…！応援してます！ (2021年12月23日 1時) (レス) @page1 id: 7552df8542 (このIDを非表示/違反報告)
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