▲リボンが377こ▼ ページ37
次に真名部が目を覚ました時、辺り一面は真っ赤な彼岸花が咲き乱れていた。
空の色も血のように赤く、そこにポッカリと穴が空いたかのように青白い月が浮かんでいた。
「(へぇ……死後の世界ってあったんですね)」
一目でここが現実ではないとわかった。
でも真名部は不思議と恐怖を感じず、また何処か他人事で。ただ呆然と空を見上げた。
生暖かい風が頬を撫でる。
真名部の髪を、周りで狂い咲く彼岸花を揺らす。
決して心地良いとは言えなかったが、ここは周りに人が自分以外にいなかったからか、不思議と落ち着く場所だった。
「……うん？あれは……」
……いや、1人いた。
少し離れた所にぽつんと、自分と同じように佇む人の姿が。
こちらに背中を向けているが
その淡い緑色の頭と、腰まであるはずの髪を右側だけバッサリと切られた特徴的な髪型ですぐ真名部は誰だかわかった。
真名部は衝動的に駆け寄ると、その人も気が付いたのか振り返った。
「＿＿＿＿Aさん！」
「＿＿＿＿まなべ！」
振り返って彼女も嬉しそうな顔をして、両腕を広げた。
だから真名部は遠慮なくその腕の中に飛び込むと、彼女はしっかり抱き留めてくれた。
もう二度とこんな風に出来るとは思わなかった。
真名部の瞳からは涙が滲む。
それでももう、二度と離れないようにしっかり彼女の背中に腕を回した。
彼女も強く、強く、縋るように抱き締める。
あんまりにも強くて、真名部が「苦しい……」と彼女の背中を叩くくらいに。
言われてAは慌てて真名部から離れると
真名部は苦笑いを浮かべた。
「まなべ、どうして此処にいるの？」
「さぁ…僕もわかりません」
「此処は何処？」
「それもさっぱり……」
「そっかぁ……まなべでもわからないのかぁ……」
Aは真名部の手を掴み、周りを見渡しながら彼に尋ねる。でも真名部も知りたかった事なので一緒になって首を傾げると、Aは何故か楽しそうに笑った。
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＊IJu＊(プロフ) - キジバトさん» 初めまして！コメントありがとうございます^^楽しんで頂けているようで良かったですー！作者無計画なんでこの章で終わるかはわかりませんが、でも終わりが近付いているのは確かなので、是非最後まで楽しんで頂けたら…！更新頑張ります！ (2021年12月24日 0時) (
レス) id: c0312d3eb1 (このIDを非表示/違反報告)
キジバト - 初めまして！この作品めちゃめちゃ大好きです！文章もすっごい神だし、真名部の心の動きとかがすごく丁寧に書かれててすごく面白いです！クライマックスなのはちょっと寂しいですが，そのまま最後まで頑張ってください…！応援してます！ (2021年12月23日 1時) (レス) @page1 id: 7552df8542 (このIDを非表示/違反報告)
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