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彼女の対価 ページ35

「って言うか……そうなるとぺリオ……」

「対価払わなくちゃダメなんじゃないか…?」

「え"っ!?」



僕がそんな話をして、賢い女の子は気付いてしまったようだ。
途端にぺリオは顔を青ざめさせ、ゆっくりと僕の方を見遣る。


一体何を想像しているんだろうか。
大袈裟なヤツらだ。

魔女だからって、無茶言ったり、酷い目にでも合わせると思っているんだろうか。


思わず溜息を吐いてしまった僕の横で
ゴウセルはそんなガキ共を見てクスッと笑った。



「……え……えぇっと……幾らだよ?」

「あ?」

「一応、俺様は村で1番エラいから……まぁ、それなりに……お金とかは……払えるけど」

「エラいのはお前のパパだろ。
ま、こんなちっさなとこのおエラいさんじゃ、払える額は高が知れてるケドな」

「なっ……ち、ちゃんと俺のお小遣いから出すし!!
……それに、風車を使った名産品とか……」

「……ふぅん?」

「ほ、欲しい物は出来るだけ用意してやるから…!
だ……だから、目玉とか……し、心臓とかは……やめて………」

「…………」



………本当に何を想像しているんだろう。


やはり人間は今も魔女族は悪者として言い伝えられているんだろう。
つか、目玉とか心臓欲しがる魔女ってなんだ。


相当怖がってるのか、最初は態度がデカかったぺリオの声は段々とか細くなり、目に涙まで滲み始める。

身体も震え、視線は地面に落ち、必死に訴えている事が僕でもわかった。


まぁ、このまま怯えてるのを見るのも楽しいケド……



「……そうだなぁ、じゃ……」



僕はおもむろにぺリオの前でしゃがみ込むと
ぺリオはわかりやすくビクッと身体を震わせた。

そっと視線を上げて僕を見ると「な…なんだよ?」と声を絞り出す。
返答によっては今にも泣きそうな顔で。


そんな顔されたら、面白くて続きが言いたくなくなる。
だから少しためて、僕は口を開いた。



「魔女族の恐怖を正しく人に言い伝えろ」

「…………え?」

「確かに魔女族は変な術使うし?強いし?怖いし?
……でも、無闇矢鱈と人に向けて使ったりはしない。
目玉とか心臓も奪ったりしないし、寧ろ進んで人助けをしようとするお人好しな種族なんだ」

「………………へっ?」



続けられる僕の言葉に、ぺリオは目を大きく見開いてポカンとマヌケな顔をした。

彼女と魔女族→←彼女とぺリオ



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*IJu*(プロフ) - Schall_108さん» こんばんは、コメントありがとうございます!そう言って下さって嬉しいです…!掛け持ちしているのでノロノロ更新ですが、是非気長にお待ち頂けると…!すみませんorz (2021年4月7日 0時) (レス) id: c0312d3eb1 (このIDを非表示/違反報告)
Schall_108(プロフ) - こんばんは!やっぱりこの小説好きです!毎日更新楽しみにしてます)^o^( (2021年4月4日 23時) (レス) id: ac70789a4c (このIDを非表示/違反報告)
*IJu*(プロフ) - Schall_108さん» コメントありがとうございます…!!て、徹夜?!余程夢中になられたんですね…!恐縮です(´˘`*)まだまだこの物語はつづきますので、宜しければ最後までお付き合いして頂けると嬉しいです…!更新頑張ります〜! (2021年1月20日 0時) (レス) id: c0312d3eb1 (このIDを非表示/違反報告)
Schall_108(プロフ) - ゴウセルの夢小説を漁っていたら!この作品に会いました!読むのがやめられなく6時間かけて徹夜で読んでしまいました!更新楽しみに待ってます!あと‥。素晴らしい作品を長い間書き続けて頂いてありがとうございます!本当にこの作品大好きです! (2021年1月19日 6時) (レス) id: ac70789a4c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:*IJu* | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2020年11月14日 1時

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