彼女は黙り ページ28
「朝から元気がいい事ですな、A殿」
下に降りて朝飯食ってると、厨房で片付けをしていた団長が出て来て、茶化すような口調でそう言った。
色々言いたい事はあったが、ソレは全部朝飯ごと飲み込んで、僕は黙々と飯を食ってると、そんな僕の隣でゴウセルがニコニコ笑いながら代わりに答えた。
「さっきはビックリしたよ。扉を開けたらいきなり頭飛ばされちゃったんだもん」
「……」
「ビックリしたのはこっちだよ〜〜!!
大きな音がしたと思ったら、ゴウセルの首が階段からゴロンゴロンって!」
「朝からホラーだったよ…ははは…」
周りも乾いた声で笑うけど、こっちは全然笑えない。
ただモソモソとパンを齧るだけだ。
……こっちがホラーだったっての。
なんでお前の事考えてたらお前が来るんだよ、ゴウセル。
心読んで来たのか?テレパシーなのか??
しかもノック無しに部屋に入って来やがって……
……いや、声は掛けたって言ってたっけな?
いやいや、でもゴウセルの声聞こえなかったからやっぱダメだろ。うん、ダメだ。
しかも女の子の部屋だぞ。
リラいた時だったら間違いなく刺してた、うん。
つーか、なんでゴウセルが僕の隣にいるワケ?
昨日の事忘れてんのか?記憶消したの?気にしてないの?あんなに悲しそうな顔してたのに?
そういう所、やっぱムカつく。
「ゴウセルに頼んで正解だったわ……
これがエスカノールとかだったら、頭飛んで死んじゃうところだったわね」
「ひぃい……!」
「次からはバンに頼め。バンは不死身だからな」
「エレインの頭吹っ飛ぶからパス♪」
「エレイン連れて行くの前提で話さないで」
「大丈夫、俺は慣れてるから。
次も俺に頼んで、リラ」
「ゴウセル……貴方、それでいいの?」
「……」
「Aも黙ってないで何か言ったらどうなの?
『ごめんなさい』はしたの?」
「…………」
「こーら、A!」
リラに謝るよう言われたけれど、僕はそっとそっぽを向くと、リラに耳を引っ張られてしまった。
折角の美味しい朝食が台無し……
……つーか、朝飯美味いな。
バンが作ったんだろうか。めっちゃ美味い。
コレで足元で残飯食ってる豚野郎がいなかったらもっと美味しく感じるんだろうな。
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*IJu*(プロフ) - Schall_108さん» こんばんは、コメントありがとうございます!そう言って下さって嬉しいです…!掛け持ちしているのでノロノロ更新ですが、是非気長にお待ち頂けると…!すみませんorz (2021年4月7日 0時) (レス) id: c0312d3eb1 (このIDを非表示/違反報告)
Schall_108(プロフ) - こんばんは!やっぱりこの小説好きです!毎日更新楽しみにしてます)^o^( (2021年4月4日 23時) (レス) id: ac70789a4c (このIDを非表示/違反報告)
*IJu*(プロフ) - Schall_108さん» コメントありがとうございます…!!て、徹夜?!余程夢中になられたんですね…!恐縮です(´˘`*)まだまだこの物語はつづきますので、宜しければ最後までお付き合いして頂けると嬉しいです…!更新頑張ります〜! (2021年1月20日 0時) (レス) id: c0312d3eb1 (このIDを非表示/違反報告)
Schall_108(プロフ) - ゴウセルの夢小説を漁っていたら!この作品に会いました!読むのがやめられなく6時間かけて徹夜で読んでしまいました!更新楽しみに待ってます!あと‥。素晴らしい作品を長い間書き続けて頂いてありがとうございます!本当にこの作品大好きです! (2021年1月19日 6時) (レス) id: ac70789a4c (このIDを非表示/違反報告)
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