彼女の朝 ページ27
「ほーら、A。起きなさい」
リラの言葉と共に揺すり起こされ、僕は重い瞼を持ち上げる。
だが視界がクリアになる前に僕はもう一度目を閉じて寝返りを打つと、リラは「A〜!」とさっきより強く揺すられ、僕は目を閉じたまま、おもむろに口を開いた。
「あと2時間……」
「寝過ぎよ、ソレ!ほーら!着替えなさい!
早くしないと朝ご飯、無くなっちゃうわよ!」
「いいよ、朝飯なんて……」
「ダーメ!朝はちゃんと食べないとダメだって言ってるでしょ!」
「うーー……」
掛けていた掛布団を取られ、枕も奪われ。
そうやって僕はようやく頭を上げると、リラは「先行ってるからね」と行って部屋を出て行った。
……相変わらず、リラは早起きだな。
どうして雄鶏もいないのに朝早く目覚める事が出来るのか。
しかもきっちり着替えて身なりも整えてたっぽいし。
リラのそういう所はよくわからない。
本当は起きたくない……朝飯とかどうでもいいから、寝ていたい。
キングじゃないけど、僕は読書の次に寝るのが好きなんだ。
だって寝てる間は自由だから。
誰も介入出来ないから。
夢をどうこう出来るワケじゃないから、たまに妙ちきりんな夢見たりもするけど、でも嫌いではないし。
何より、あの忌々しい顔を見なくていいのはいい事だ。
そうそう、あのムカつくお人形。
アイツは本当に…………
「………」
不意に目立つマゼンタ頭のヤツの顔が脳裏を過ぎり、僕は寝返りを打ってベットの上に大の字になる。
どうしてか、まだ実感湧かないんだよね。
アイツが心を取り戻した事。
……いや、元々心は持ってたんだっけ。
忘れてただけだっけ。
どちらにしろ、今の今まで付き纏われてたのが感情のない、それこそホントのお人形みたいなゴウセルだったからさ。
表情ミリも変わらなかったクセに、急に笑ったり悲しんだり出来るようになったのがまだ慣れない。
もう結構経つのにな……
どうしてこうも慣れないのだろうか。
早く慣れないと、これからもっとゴウセルの事……
「…………」
「A、もしかして2度寝してる?
声を掛けたけど返事が……」
人形野郎の事を考えていた丁度その時
部屋の扉が突如開かれて、そこから張本人がやって来た。
寝起きでぼんやりしてたのと、あまりにもドンピシャなタイミングに僕は一瞬気が動転し
咄嗟に
64人がお気に入り
「オリジナル」関連の作品
この作品を含むプレイリスト ( リスト作成 )
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
*IJu*(プロフ) - Schall_108さん» こんばんは、コメントありがとうございます!そう言って下さって嬉しいです…!掛け持ちしているのでノロノロ更新ですが、是非気長にお待ち頂けると…!すみませんorz (2021年4月7日 0時) (レス) id: c0312d3eb1 (このIDを非表示/違反報告)
Schall_108(プロフ) - こんばんは!やっぱりこの小説好きです!毎日更新楽しみにしてます)^o^( (2021年4月4日 23時) (レス) id: ac70789a4c (このIDを非表示/違反報告)
*IJu*(プロフ) - Schall_108さん» コメントありがとうございます…!!て、徹夜?!余程夢中になられたんですね…!恐縮です(´˘`*)まだまだこの物語はつづきますので、宜しければ最後までお付き合いして頂けると嬉しいです…!更新頑張ります〜! (2021年1月20日 0時) (レス) id: c0312d3eb1 (このIDを非表示/違反報告)
Schall_108(プロフ) - ゴウセルの夢小説を漁っていたら!この作品に会いました!読むのがやめられなく6時間かけて徹夜で読んでしまいました!更新楽しみに待ってます!あと‥。素晴らしい作品を長い間書き続けて頂いてありがとうございます!本当にこの作品大好きです! (2021年1月19日 6時) (レス) id: ac70789a4c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ