彼女の初めての感情 ページ14
「……で?オイラの所に逃げて来た、と……」
「逃げてない。フラフラしてたら丁度お前が来たんだ」
「いや、オイラずっと此処にいたんだけど……」
あの後、部屋に戻ったはいいがリラがいない事を思い出し、何とか気持ちを落ち着けようと本を読むも、全く内容が頭に入らない。
なので〈豚の帽子〉亭内をウロウロしてたら、最上階の外でフワフワ浮いてるキングを見つけたので
とりあえず、そのすぐ下にお邪魔させてもらった。
ついでにさっきのゴウセルとの事も話したら、キングに呆れたような顔をされてしまった。
「でもキミがそんな事相談するなんて珍しいね」
「リラに言おうとしたけど……ほら、彼女は今女子会してんだろ?だが今この感情を吐き出さないとどうにかなりそうで……」
「どうにかなりそう、って……」
思い出したら、また言い知れぬ感情が迫り上がる。
その感情がグチャグチャと僕の頭の中を掻き乱して、僕は思わず頭を抱える。
そうしたらキングに「重症だ……」って言われてしまった。
なんなんだ、コレ。
なんなんだよ、コレ。
今まで抱えたことの無いタイプの感情。
さっきの事を思い出すと、なんかもう何もかも滅茶苦茶にしてしまいそうな衝動に駆られる。
誰もいなかったら地面をのたうち回りたい気分だ。
こんなの初めてだ。
こんな気持ち悪いモノを抱えるのは。
感情に疎い僕にはこの感情の名前がわからない。
煩わしくて、気味が悪くて、まるでゴウセルみたいだ。
「アイツ、僕に記憶を見せる時なんかしたな…?絶対しただろ……でなきゃこうなる理由が思いつかない……きっとそうだな、ああそうだ……」
「そう考えるのは早計じゃない?
今のゴウセルがそんな事するとは考えられないし……」
「……アイツ、次会ったら壊そう」
「聞いちゃいない……」
考えれば考える程、この感情がわからない。
理解出来ないからこそ、イライラする。
でも考えられるとしたら、やっぱりゴウセルが僕に妙な術をかけた可能性だ。
あの人形野郎、ニコニコニコニコ笑いながら人の頭の中勝手に弄ったんだ。そうに違いない。
感情取り戻してもやってる事は人形の時と同じだ。ああ、そうだ絶対そう。
そうじゃないと、いけないんだ。
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*IJu*(プロフ) - Schall_108さん» こんばんは、コメントありがとうございます!そう言って下さって嬉しいです…!掛け持ちしているのでノロノロ更新ですが、是非気長にお待ち頂けると…!すみませんorz (2021年4月7日 0時) (レス) id: c0312d3eb1 (このIDを非表示/違反報告)
Schall_108(プロフ) - こんばんは!やっぱりこの小説好きです!毎日更新楽しみにしてます)^o^( (2021年4月4日 23時) (レス) id: ac70789a4c (このIDを非表示/違反報告)
*IJu*(プロフ) - Schall_108さん» コメントありがとうございます…!!て、徹夜?!余程夢中になられたんですね…!恐縮です(´˘`*)まだまだこの物語はつづきますので、宜しければ最後までお付き合いして頂けると嬉しいです…!更新頑張ります〜! (2021年1月20日 0時) (レス) id: c0312d3eb1 (このIDを非表示/違反報告)
Schall_108(プロフ) - ゴウセルの夢小説を漁っていたら!この作品に会いました!読むのがやめられなく6時間かけて徹夜で読んでしまいました!更新楽しみに待ってます!あと‥。素晴らしい作品を長い間書き続けて頂いてありがとうございます!本当にこの作品大好きです! (2021年1月19日 6時) (レス) id: ac70789a4c (このIDを非表示/違反報告)
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