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彼の悩み ページ2

「うーーん………」



心を取り戻した俺は変なのか。
そう団長に問うと、団長は腕を組んで長い長い唸り声をあげた。

ゆっくりと首を傾げ、その間じっと俺を上から下まで見つめる。
少し緊張して思わず背筋を正すと、団長はようやく口を開いた。



「…………ま、違和感はあるよな、まだ」

「やっぱり…」

「いや、でも変ではないと思うぞ?
寧ろ、今の方が俺は好きだ!」



にしし、と無邪気に笑う団長。
そう言われて少し嬉しくなったけれど、そう言われたくて聞いたんじゃない。

それは団長もわかっているようで、すぐにいつもの飄々とした顔に戻ると「Aになんか言われたのか?」と尋ねた。



「……俺、Aを怖がらせちゃったのかなって」

「Aが?ゴウセルを?」

「うん……ずっと前から俺はAを怖がらせてたから。なのに心を取り戻して、更に彼女を怖がらせてるようで……」



俺が彼女を幽閉してから、Aは人形の俺を怖がっていた。

それは多分、自分の記憶を勝手にいじられて、大切な記憶を消してしまったからなんだろう。
最近は俺の魔力を彼女の髪の毛(プラチナソード)が弾かなくなっているし、また同じ事をされたくないんだろうな。


でも心を取り戻してからは別の意味で怖がっている。

彼女は本当は心優しい人だから。
自分の言葉で俺が傷付くんじゃないかって思ってるんだ。


しかも、元々俺は心を宿していたと聞いた彼女の顔が忘れられない。
まるで崖から突き落とされたような顔をしていた。

でもだからって彼女の性格が直るはずもない。
Aは口が悪いから、思ってもない事も言っちゃう時がある。

それに俺が嫌いなのもあって、尚更なんだろうな。



「Aは多分…安心してたんだ。
心が無いって事は、何を言っても傷つかないって事だから。俺にだけ当たりが強かったのも、俺だけが拠り所だったんだ。

そうじゃなかったら、心を閉ざしていた彼女はいつまで経っても〈七つの大罪(俺達)〉を避け続けてたと思う。
だって一緒にいるだけで傷付けてしまうかもしれないから」

「…………」



胸に手を当て、考える。
Aの気持ちになって考える。

そうしたら団長はふぅ、と息を吐いた。
ポリポリ頭を掻いて、何処か困ったような顔をすると団長は言った。



「……本当に、それだけなのか?」

彼は鈍い→←・1人の代償・



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設定タグ:七つの大罪 , ゴウセル
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*IJu*(プロフ) - Schall_108さん» こんばんは、コメントありがとうございます!そう言って下さって嬉しいです…!掛け持ちしているのでノロノロ更新ですが、是非気長にお待ち頂けると…!すみませんorz (2021年4月7日 0時) (レス) id: c0312d3eb1 (このIDを非表示/違反報告)
Schall_108(プロフ) - こんばんは!やっぱりこの小説好きです!毎日更新楽しみにしてます)^o^( (2021年4月4日 23時) (レス) id: ac70789a4c (このIDを非表示/違反報告)
*IJu*(プロフ) - Schall_108さん» コメントありがとうございます…!!て、徹夜?!余程夢中になられたんですね…!恐縮です(´˘`*)まだまだこの物語はつづきますので、宜しければ最後までお付き合いして頂けると嬉しいです…!更新頑張ります〜! (2021年1月20日 0時) (レス) id: c0312d3eb1 (このIDを非表示/違反報告)
Schall_108(プロフ) - ゴウセルの夢小説を漁っていたら!この作品に会いました!読むのがやめられなく6時間かけて徹夜で読んでしまいました!更新楽しみに待ってます!あと‥。素晴らしい作品を長い間書き続けて頂いてありがとうございます!本当にこの作品大好きです! (2021年1月19日 6時) (レス) id: ac70789a4c (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:*IJu* | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2020年11月14日 1時

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