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◇ラプンツェルは覚えてない ページ7

「そんな残念そうな顔しなくても……また明日話せば良いじゃない。合宿は始まったばかりだしね」

「いいの…?」

「Aちゃん、俺の話いっぱい聞いてくれるから。
Aちゃんが良かったら」

「じ、じゃあじゃあじゃあ…!また明日お話しよ!」



ヒロトのお話はもっともっと聞きたかったから、その言葉はとっても嬉しかった。

私は二つ返事で頷くと、ヒロトも嬉しそうに笑う。


そのまま別れようと思ったけれど
その前にふと、ヒロトは口を開いた。



「…あの時(・・・)はどうなるかと思ったけれど、元気になってくれて良かった」

「…あの時?」

「うん、あの時(・・・)



言い方が少し引っ掛かって私は首を傾げると
ヒロトはニコニコ笑いながら頷いた。


あの時、って…いつの時?
ヒロトと初めて会った時の事…?



「…やっぱり、覚えてないんだ」

「お、覚えてるよ!私が発作起こした時、ヒロトが私にエイリア石をくれて……」

「ううん、その時の事じゃないよ。
もっと後。そうだな……潜水艦が爆発した時(・・・・・・・・・)の事だよ」

「………えっ?」



私はパチパチと目を瞬かせる。


潜水艦が…爆発した時?

それって…ライモンと闘った日の事?
私がフドウに酷い事しちゃった時の事?


どうしてヒロト、知ってるんだろう…?
だってヒロトはライモンの人じゃないし、私達のチームにもいなかったし……

エンドウとかから聞いたのかな?
それとも………



「…ヒロト、あの時いたの?」

「うん、たまたま様子を見に来ててね。
びっくりしちゃった。まさか爆発するなんて思ってなかったから」



苦笑いを浮かべながらヒロトは話すけれど
内容的には笑って話す事ではないと思う。


それにしても、まさかヒロトもあの場にいたなんて…
ヒロトって前から思ってたけれど、不思議な人。

私を潜水艦まで送ってくれた時も、まるで瞬間移動したみたいに一瞬で連れてってくれたし……
ヒロトってもしかして、魔法使いか何かなのかな?



「そっか、覚えてないんだ…そっか」

「お、覚えてないって…私、あの時ヒロトに会ったの?」



私、あの時海の中に落ちたから……そこからの記憶は無いの。
もしかして、その時に私、ヒロトに会ってたのかな…?



私の問いにヒロトは「…そうだね」と目を細める。

何か含んだような笑みを一瞬口元に刻むと
また優しげな微笑みを浮かべて続けた。



「あの時、キミを助けたのは俺だからね」

◇ラプンツェルと早起きさん→←◇ラプンツェルと星博士



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*IJu*(プロフ) - みづきちさん» コメントありがとうございます!楽しんで頂けてるようで良かったです( ˇωˇ ) (2020年11月5日 2時) (レス) id: 1371b955e9 (このIDを非表示/違反報告)
みづきち(プロフ) - 尊い、、、ありがたや(拝) (2020年11月4日 22時) (レス) id: 1fec416d23 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:*IJu* | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2020年9月17日 3時

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