◇ラプンツェルとヒロト ページ5
「ふぁあ……疲れたぁ……」
ようやくマネージャーのお仕事を終えて
私は自室へと向かっていた。
マネージャーのお仕事って本当に大変……
ご飯作ったり、ドリンク作ったり、お洗濯に片付けに……とにかく沢山!
選手を支える為とは言え、こんなにお仕事があるとは思わなかったなぁ……
でもソレを普通にこなすアキとハルナも凄かった。
慣れてる、って言うのもあるんだろうけれど…2人とも可愛らしい見た目に反してパワフルな人達だった。
ハルナちゃんなんかずっと走り回ってたような気がしたし。
明日は早起きしなきゃだし、ちょっと調べたい事調べたら早めに寝ようかな。
2日連続寝不足になっちゃったら健康にも悪いもんね。
「………ん?」
欠伸を1つしながら私は階段を登り、部屋に入ろうと扉を開く。
だけどその時、視界の隅にチラッと赤い頭が見えた気がしてそちらの方を向くと、窓から空を見上げる人の姿が。
あれは……ヒロト?
空を見上げて、星でも見ているのかな…?
「……何を見ているの?」
何となく気になった私はヒロトの方に歩み寄ると、そっとヒロトに声を掛けた。
するとヒロトは私に気付き、にこりと優しげな笑みを浮かべた。
「やぁ、えーと…確か、Aちゃんだったっけ?」
「うん!お名前覚えてくれたんだ!」
「そりゃあね。あんな派手な登場されたらね」
「うっ………」
……派手な登場って、多分転んだ事だよね。
折角忘れ掛けていたのに、思い出しちゃって。
私は思わず視線をそらすと、ヒロトにクスクスと笑われながら「ごめんね、」と謝られてしまう。
「ちょっと意地悪しちゃって。
…因みに、キミは俺の事覚えているかい?」
「ヒロト、だよね?私の事助けてくれた人!」
「うーん……助けたって言うのかな、アレ」
「助けたって言うよ!だってあの時ヒロトがいなかったら、私死んじゃってたと思うから」
「大袈裟な気もするけれど……そういう事にしておくよ。とりあえず、覚えててくれて嬉しいな」
ヒロトは苦笑いを浮かべながらもそう言うと、何処か嬉しそうに目を細める。
その瞳は前とは違って綺麗に澄んでいるような気がした。
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*IJu*(プロフ) - みづきちさん» コメントありがとうございます!楽しんで頂けてるようで良かったです( ˇωˇ ) (2020年11月5日 2時) (レス) id: 1371b955e9 (このIDを非表示/違反報告)
みづきち(プロフ) - 尊い、、、ありがたや(拝) (2020年11月4日 22時) (レス) id: 1fec416d23 (このIDを非表示/違反報告)
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