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◇ラプンツェルの夕飯 ページ32

「アキは?食べないの?」

「私はもう食べちゃったから…ごめんね」

「そっかぁ…」

「食べたらお皿、自分で洗って片付けてくれる?
洗濯がまだ終わってなくって……そっちやらなくちゃいけないから…」

「うん、わかった!やる!」

「ごめんね、Aちゃん…!
じゃあ、私は洗濯物の方に行くね!」



トレイを持っておかずを装って、アキからもご飯を装って貰って。

私は適当に席につくと、アキはそう言って食堂を出て行った。


しんと静まり返る食堂。
やっぱりこの空気はちょっぴり苦手。

でも今日のご飯を1口食べたら、あんまり気にならなくなった。
だってとっても美味しかったから。


じんわり味の染みた肉じゃが、とっても美味しい……

こんなに美味しいんなら、もっと欲しかったな。
残ってたのがこれだけしかなかったから。


うぅ……今度から病院行く時はご飯食べてから行こうかな……

それかもう、練習中に抜け出して……
いやいや流石にソレはダメかな……



「……あれ?誰かと思ったら帽子ちゃん?」



そんな事を考えながら肉じゃがを頬張っていると
ふと食堂の入口で声がしたのでそちらを見遣る。

するとそこにはフブキとカゼマル。
フブキは私と目が合うとニコッを微笑みを向けてくれた。


2人とも、お風呂入った後なのかな…?
しっとりと髪の毛が濡れていたし、カゼマルは肩にタオル掛けてた。



「いい匂いがすると思ったら…お前だったのか」

「えへへ〜…ご飯食べそびれちゃって」



カゼマルは苦笑いを浮かべ、私は思わず肩を竦めると
フブキがおもむろに私の向かいの席に腰掛ける。

カゼマルもつられてか、その隣に腰掛け
フブキは机に頬杖をつくと、またニコリと笑った。



「そう言えば夕飯の時、いなかったもんね…何処か行ってたの?」

「えーと…うん!ちょっとご用事あってね。
お出掛けしてたの」

「へぇ…それにしても、お腹空いてきちゃったなぁ」

「だ、ダメだよっ!このご飯は私のだからね!」

「そ…そんなに必死にならなくても…」

「気持ちは分かるけれどね」



フブキの発言に私は慌てて自分のご飯の前に両腕を伸ばして被せると、カゼマルに呆れられて、フブキは苦笑いを零す。


だ、だってだって、美味しいんだもん…!

それに2人はいっぱい食べたんでしょ?
なのに、更に食べようとするだなんてズルいもん!

◇ラプンツェルと呪われた監督→←◇ラプンツェルとアキ



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*IJu*(プロフ) - みづきちさん» コメントありがとうございます!楽しんで頂けてるようで良かったです( ˇωˇ ) (2020年11月5日 2時) (レス) id: 1371b955e9 (このIDを非表示/違反報告)
みづきち(プロフ) - 尊い、、、ありがたや(拝) (2020年11月4日 22時) (レス) id: 1fec416d23 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:*IJu* | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2020年9月17日 3時

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