◇ラプンツェルの提案 ページ27
「…………えっ?」
私が言った途端、トビタカは驚いた顔をしてバッと顔を上げた。
そんなトビタカを不安にさせないよう、私は胸を張って続けた。
「前にも言ったけど私、これでもサッカーやった事あるの!しかもトビタカと同じDF!
だから色々と教えてあげられるかもしれないと思って!」
サッカーの基礎はフドウにイヤと言うほど叩き込まれた。その基礎が今も頭の中に残ってるし、何ならそれなりに動きとかも教えてあげられると思って。
勿論、私もそこまでサッカーについては詳しくないし、フドウよりは上手くないし。
フドウから教わった事を教えるだけだから、細かい事聞かれたら困っちゃうかもだけど……
でも何もやらないよりはやった方がいいと思うの!
それに!トビタカには色々と助けられちゃったから。
その恩返しもしなくちゃね。
「………でも、」
「あ、もしかして疑ってる?
これでも私、あのライモンと闘った事だってあるんだからね〜?」
「ライモン…?
……それって、宿舎のある学校の名前が確か……」
「……トビタカ、FF見た事ある?」
「えふ……えふ?」
「そ、そっかぁ……知らないのかぁ……」
……道理で驚かないワケだ。
FF見た人なら今のセリフで驚く所だもん。
でも噂とか、人と話したりで聞いたりもしなかったのかな……?
まさかFFを知らないとは思わなかったから、自慢っぽく話してた私はちょっと恥ずかしくなっちゃった。
張っていた胸を引っ込めて私は苦笑いを浮かべると「とにかく!」と無理矢理話を戻して、私は続けた。
「どう?練習終わった後とか、夕御飯食べた後とか!
サッカーについて分からない事は全部教えてあげるし、リフティングとかの練習も付き合ってあげる!」
「…でも、迷惑じゃ…」
「選手を支えるのがマネージャーの務めだもん!
そんなの迷惑とかじゃないよ!
それにトビタカもやっぱりサッカー上手になりたいよね?だって折角代表に選ばれたんだもん!
活躍して皆にカッコイイ所、見せたいよね?」
「…………」
迷惑とか、そんなんじゃないのに。
トビタカはそっと私から目をそらし、考えるように眉間にシワを寄せた。
考えて考えて、チラリと私の方を見て。
再び目をそらして正面を見据えると、おもむろにトビタカは口を開いた。
「………病院、着いたぞ」
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*IJu*(プロフ) - みづきちさん» コメントありがとうございます!楽しんで頂けてるようで良かったです( ˇωˇ ) (2020年11月5日 2時) (レス) id: 1371b955e9 (このIDを非表示/違反報告)
みづきち(プロフ) - 尊い、、、ありがたや(拝) (2020年11月4日 22時) (レス) id: 1fec416d23 (このIDを非表示/違反報告)
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