検索窓
今日:14 hit、昨日:34 hit、合計:32,010 hit

◇ラプンツェルは誤魔化せない ページ23

「ど、どうして食堂にいないの?
そ、そろそろご飯の時間だから、食堂に行かないと……」

「あ、ああ……俺、家から通う許可貰っているんで、そうしているんです。その……枕が変わると寝付きが悪くなっちゃうんで」



この現状を何とか誤魔化す為。
そして単純に気になって、私は疑問をそのまま尋ねると、トラマルは苦笑いしながらそう言って、肩を竦める。

よく見るとその肩には大きなカバンが掛けられていた。


そう言えば、トラマルはそうだった……
皆と違って宿舎に残るんじゃなくって、練習始まる前に来て、練習終わると帰っちゃうんだった。

そりゃあ食堂に行かないよね……
だってご飯も帰ってから食べるんだろうし。
すっかり忘れてた……



「…それより、背中に何か…」

「とっとととトラマルは枕が変わると眠れないんだね!何となくわかるよ!私も時々病院のベットが懐かしくって…」

「……病院?」

「こっこ、こここ子供の時の話だけどネ!!
ホント、小さい頃!昔の話!!」

「そ、そうですか……」



背中の松葉杖を指摘される前に私は話題を無理矢理そらそうとしたけれど、話せば話す程自分で墓穴を掘って行く。

ソレを誤魔化す為にまた適当な事を言っちゃって。
必死な私にトラマルは困惑の表情を浮かべていた。


どうしよう、どうしよう、どうしよう…!

とりあえず松葉杖どうにかして誤魔化さなきゃ!
流石に誤魔化す言葉が思い浮かばない!


背中に隠してる、とは言っても私小さいから見えてるよね絶対。肩からはみ出てるよね、絶対。

松葉杖だってバレてるかな?
それともまだわかってないのかな?


とにかく、早くお話終わらせないと…!
これ以上嘘つくの……ムリ!!

トラマルに変な人だって思われちゃう!
いや、もう思われ掛けてる!!



「…あの、何処か悪い所とか…」

「別に私、今は病気とかじゃないよ!
ちゃんと健康な人間だもん!ちょっと体力落ちちゃったけど!
それでね、えーと…えーと……」

「……何、してるんだ?」



トラマルはやっぱり私の後ろのモノが気になるみたい。
というかやっぱり見えてるみたいに。

何処か心配そうに尋ねるトラマルに私は必死に誤魔化そうと考えながら話していると、ふともう1つ声が入って来た。

◇ラプンツェルと助け舟→←◇ラプンツェルとトラマル



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (70 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
142人がお気に入り
設定タグ:イナイレ , 不動明王
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

*IJu*(プロフ) - みづきちさん» コメントありがとうございます!楽しんで頂けてるようで良かったです( ˇωˇ ) (2020年11月5日 2時) (レス) id: 1371b955e9 (このIDを非表示/違反報告)
みづきち(プロフ) - 尊い、、、ありがたや(拝) (2020年11月4日 22時) (レス) id: 1fec416d23 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:*IJu* | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2020年9月17日 3時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。