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◇ラプンツェルとミドリカワ ページ16

「ヒロト〜!昨日の続き聞かせて〜!」



マネージャーのお仕事も終わり、昨日の窓辺に向かうと、もうそこにはヒロトがいて、私は駆け寄りながら開口一番にそう言った。

でも今日はヒロトの他にも人がいたみたい。
不意にヒロトの奥からヒョコッと緑色の頭が出て来て、彼は「やぁ」と気さくに声を掛けると、ヒロトとはまた違った無邪気な笑みを浮かべた。



「誰かと思ったらドジっ子ちゃんじゃない!
こんな時間に奇遇だね」

「ミドリカワ…!」



ミドリカワに倣い、私も軽く敬礼するとミドリカワは楽しそうに笑う。


さっきまでは怖い顔で練習してたけれど、今はソレが嘘みたい。

でもドジっ子ちゃんって呼ぶのはやめてほしいかも。



「ヒロト、待ち合わせしてたのってこの子?」

「うん。昨日約束したからね」

「ミドリカワも一緒にお話する?」

「うーん……誘ってくれるのは嬉しいけれど、明日の為にもそろそろ寝るよ。ごめんね」

「えぇ〜!!」



もしかしたらミドリカワも一緒にお話してくれるのかな、って思ったけれど、ミドリカワは申し訳なさそうに両手を合わせて苦笑いを浮かべた。

ミドリカワ、もう寝ちゃうのかぁ……残念。
彼の話もいっぱい聞きたかったんだけどなぁ。



「じゃ、おやすみヒロト。
……あと、ドジっ子ちゃん」

「ど…ドジっ子じゃないもん!黒井Aだもん!」

「あはは!ごめんごめん!
おやすみ、Aちゃん!」



ミドリカワは最後に軽く手を振りながら部屋の方に戻って行き、私も手を振り返して部屋に入って行くまで見送った。

ミドリカワが部屋に入るとヒロトの方に向き直る。
「ミドリカワ、偉いね」って私は肩を竦めると、ヒロトも「そうだね」って笑った。



「リュウジは昔から真面目な所もあるからね。
特に今回は本気でレギュラーを狙ってるみたいだから」

「何となくわかるよ。ミドリカワ、本気なんだなー、って。……でも、皆と連携してくれないのはちょっとな」

「焦ってるんだよ。監督の言葉もあるし、不動くんは妙に気に入られてるみたいだし。
俺もさっき、その事は言ってみたんだけどね……
暫くはあのままかな」

「そっかぁ、ヒロトでもダメなんだ…」



レギュラー入りしたい気持ちはわかる。
多分、このチームの中だとミドリカワが1番その気持ちが強い。

でもだからって1人でプレイするのは違うよね…
それに1人でやってると無理しちゃったりとかするかもしれないし。


そのせいで怪我とかしないといいけれど……

◇ラプンツェルは勝手に傷付いた→←◆悪者と王子様



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*IJu*(プロフ) - みづきちさん» コメントありがとうございます!楽しんで頂けてるようで良かったです( ˇωˇ ) (2020年11月5日 2時) (レス) id: 1371b955e9 (このIDを非表示/違反報告)
みづきち(プロフ) - 尊い、、、ありがたや(拝) (2020年11月4日 22時) (レス) id: 1fec416d23 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:*IJu* | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2020年9月17日 3時

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