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◇ラプンツェルは心配される ページ14

「……その、大丈夫、か?」

「へっ?」



一応注意した方がいいかな。
でも人を見た目で決め付けるのもな、って思って言い淀んでいたら、ふとトビタカが先に口を開いた。

でも主語が無かったから何の事を言っているのかわからなくって、私は思わず間の抜けた声をあげると
トビタカは若干眉根を下げながら続けた。



「ほら、あの……不動とかいうヤツとの事…
お前、あの後落ち込んでたみたいだから……」

「あ……あぁ、ふ、フドウの事かぁ……」



フドウ、って名前が出て私はわかりやすく反応しちゃったと思う。

そんな自分が恥ずかしくて、私は思わず視線を落として苦笑いを浮かべると、何て言えばいいのか考えた。



「えーと、えーと……えへへ。うん…その……」

「アイツと、何かあったのか…?」

「……うん、前にちょっと、ね。
でも悪いのは私…だから。うん。
だから、嫌われても仕方ないって言うか……
寧ろ、嫌われてない方が可笑しい、って言うか……うん……」



……自分で言ってて悲しくなって来た。

そりゃ、嫌われて当然の事はしたけれど。
改めて自分の口で言うと、やっぱり心にくるモノがある。


トビタカも終始心配そうな顔するし……

ああ、ダメダメダメ!暗い方に考えたら!



「……で、でも大丈夫!いつか絶対仲直りするから!」

「…出来るのか?」

「大丈夫大丈夫!前もこんな感じで喧嘩した事あるし!でも気付いたらまた仲良くなってたから!今回も大丈夫!」



とりあえず、トビタカに余計な心配させないように
私は適当にそう言って無理矢理笑う。


……そう言えば、前に喧嘩した時もハッキリと仲直りしないままだったなぁ。

だってどっちも謝らないんだもん。
…いや、アレは絶対フドウが悪い。
私からエイリア石取ろうとするんだもん。


………でもあの時のフドウ、私の事心配してくれてたから取ろうと、したん……だよね。

エイリア石を使った反動の事とか知ってたみたいだし。そう考えたら、やっぱりフドウは優しいんだ。


私の事を考えてくれたから、あんなに怒ってたんだ。



………それなのに、私は。



「……だから、本当に大丈夫。
トビタカはあんまり気にしないで」

「……」

「それから!あんまり遅くまで出掛けてちゃダメだよ?夜は危ないんだからね!就寝時間前にはちゃんと帰って来なきゃダメだよ?」



それ以上考えたら、また暗く沈んでしまいそうで。

私はそう言って逃げるようにその場から立ち去った。

◆悪者と王子様→←◇ラプンツェルは沈み気味



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*IJu*(プロフ) - みづきちさん» コメントありがとうございます!楽しんで頂けてるようで良かったです( ˇωˇ ) (2020年11月5日 2時) (レス) id: 1371b955e9 (このIDを非表示/違反報告)
みづきち(プロフ) - 尊い、、、ありがたや(拝) (2020年11月4日 22時) (レス) id: 1fec416d23 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:*IJu* | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2020年9月17日 3時

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