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◇ラプンツェルは忘れられて ページ12

「………………え?」



頭が、真っ白になった。

呆然もフドウの方を見遣ると、フドウはやけに耳障りな声で続けた。



「つーかお前、初対面(・・・)のクセに馴れ馴れし過ぎだろ。如何にも病弱ですって顔してるクセに人のプレイにケチ付けんなよな」

「えっ……ぁ……」

「…ほら、わかったらとっとと俺の目の前から消えて、オシゴトして下さいよ、マネージャーさん?」

「…………」



最後にそう言うと、フドウはプイッと向こう側を向いてしまった。
きっと声を掛けてもずっと無視されるんだろうな。


でもこの時の私は、フドウに言われた事があまりにも衝撃的過ぎて、何も返せなかった。

ただスカートの裾を握り締めて、込み上げるモノを耐えていた。



………ああ、やっぱり。

フドウは私が嫌いなんだ。


あんな出来事忘れるなんて、記憶を消す以外に方法なんて無いもの。

フドウは記憶から消したいぐらい、私が大嫌いなんだ。


薄々わかってたし、あんな事したら誰だって嫌いになっちゃうよね、私の事。

だって私は汚い部分を全部フドウに押し付けて
お前にフドウの目の前で死んでしまおうとしたんだから。

私が死んだのもフドウのせいにして
一生苦しめようとしたんだから。



……でも、心のどこかで期待してたんだろうな。
前みたいにお話出来るって、思ってたんだろうな。

そうでなきゃ、こんな悲しい気持ちにならないもん。
泣きたくなんて、ならないもん。



「……………ごめん、なさい」



グッと涙を堪えて、私は謝った。

あの時の事を謝ったけれど、フドウには届かないんだろうな。
何せフドウはもう私なんか見向きもしないから。


そのまま私は踵を返して、皆の方に戻って行った。





「…………」

◇ラプンツェルは沈み気味→←◇ラプンツェルと悪者



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*IJu*(プロフ) - みづきちさん» コメントありがとうございます!楽しんで頂けてるようで良かったです( ˇωˇ ) (2020年11月5日 2時) (レス) id: 1371b955e9 (このIDを非表示/違反報告)
みづきち(プロフ) - 尊い、、、ありがたや(拝) (2020年11月4日 22時) (レス) id: 1fec416d23 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:*IJu* | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2020年9月17日 3時

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