検索窓
今日:1 hit、昨日:18 hit、合計:32,015 hit

◇ラプンツェルとハルナ ページ2

「手伝ってくれるのは嬉しいんだけど……お兄ちゃん、練習で疲れてるでしょ?無理はしないで」



練習後の片付けを手伝うって言ってくれたキドウ。

疲れているはずなのに、手伝ってくれるなんて。
キドウもやっぱり優しい人。


でもハルナの言う通り、あんまり無理はしないでほしいな……練習だってハードだったし、そうでなくてもあの監督の言い方は聞いてて疲れちゃうから。



「それにボールならもう拾い終わったから、お手伝いはもういらないよキドウ」

「む、そうか……少し遅かったか」

「いーからお兄ちゃんは食堂に行ってて!
あとは私達で倉庫に運ぶだけ……」



ハルナはキドウの背中を押して、くるりとキドウを方向転換。
宿舎の方に向かせて、ハルナはおもむろに自分のジャージのポケットに手を突っ込んだ。

だが不意にハルナの動きが止まるとジャージのポケットに更に深く手を突っ込み、もう片方のポケットにも突っ込み。


そうして少し慌てた様子で顔を上げると、ハルナは声を上げた。



「ああ!倉庫のカギ貰うの忘れてた〜〜!!」



……ハルナちゃん、しっかりしたお姉さんだと思っていたけれど…意外と抜けてる所もあったり?

どうやら倉庫のカギを忘れちゃったみたい。
これじゃあボールを仕舞えないよね。



「カギ取りに行ってくるから、Aさん、ちょっと待ってて!」

「あ…うん、わかった…」

「すぐ取ってくるから〜〜!!」



言うが早いか、ハルナは踵を返してダッシュで宿舎の方へと向かい、倉庫のカギを取りに行った。

その勢いに圧倒され、私は少しの間呆然としちゃったけれど、ふと隣を向くとキドウも同じようにハルナの行った後を眺めていた。


ただ、その横顔はとっても優しかった。



「…相変わらず忙しないヤツだ」

「でも元気があって良いよね。とっても素敵」

「ありがとう。俺の自慢の妹だ」



……キドウってハルナの事、大切に思っているんだろうな。

心做しか、その声も柔らかくなった気がした。

◇ラプンツェルとキドウ→←悪者の感情



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (70 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
142人がお気に入り
設定タグ:イナイレ , 不動明王
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

*IJu*(プロフ) - みづきちさん» コメントありがとうございます!楽しんで頂けてるようで良かったです( ˇωˇ ) (2020年11月5日 2時) (レス) id: 1371b955e9 (このIDを非表示/違反報告)
みづきち(プロフ) - 尊い、、、ありがたや(拝) (2020年11月4日 22時) (レス) id: 1fec416d23 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:*IJu* | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2020年9月17日 3時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。