悪者の感情 ページ1
宿舎があるってのに、わざわざお家から通って来るヤツがいたから、ちょっとからかっただけだってのに、途端にヤツらは怖い顔して俺の方を見遣る。
大方、俺が選手として選ばれた事に不満に思ってるヤツがいるんだろ。
でも選ばれたモノは選ばれたんだ。文句は俺を選んだヤツに言って欲しいね。
寧ろこっちから言わせて貰えば、なんで選ばれたのかわかんないヤツなんか沢山いる。
特にあの端っこにいるズブの素人とか。
確か猗鷹瓩箸言うんだっけ?
選考試合で動き見てたけど、笑えたねアレは。
ま、こっちお仲間ごっこするつもりなんてサラサラないし、嫌うなら勝手に嫌ってくれ。
こっちはこっちでやりたいようにやるだけだから。
…なんて事をしていると、ようやく監督さんがやって来た。
隣には俺達と同じぐらいの少女を連れて。
グラウンドで散らばっていた俺達は監督の前に集まると、監督は俺達を一瞥してから口を開いた。
「お前達も顔は知っていると思うが、改めて紹介しておく。娘の冬花だ。今日からマネージャーとして……」
「待って〜〜〜〜!!!」
まずは自分の娘の紹介から始めたと思ったら
監督の言葉を遮って、少し離れた所からまた別の人の声が聞こえた。
だがその声には妙に聞き覚えがあり
聞いた瞬間、俺は思わず顔を上げて声の主を探してしまった。
……いや、違うよな。
今の声が爛▲ぅ牒瓩寮爾世辰燭蠅蓮帖
「私もいま………おわぁっ!?」
声の主は小さな少女。デカい帽子から溢れた黒髪を揺らしながら、彼女はグラウンドへと駆け寄って来ていた。
だが彼女は何かにつまづいたのか、途中で思いっ切り転んでしまう。
その拍子に被っていた帽子が飛んで行き、帽子の中に詰めていた長い長い黒髪が溢れた。
その瞬間、ブワッと俺の中で言い知れぬ感情が湧き起こる。
暫く落ち着いてたってのに、まるで吐き気のように喉元までせり上がる。
………嘘だろ。まさか。
こんな所で、爛▲ぅ牒瓩。
「だ……大丈夫ですか!?」
「だ、大丈夫、だいじょーぶ……いったたた…」
マネージャーに案じられ、起き上がった彼女は
間違いなく俺の知っている犢井A疔椰佑世辰拭
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*IJu*(プロフ) - みづきちさん» コメントありがとうございます!楽しんで頂けてるようで良かったです( ˇωˇ ) (2020年11月5日 2時) (レス) id: 1371b955e9 (このIDを非表示/違反報告)
みづきち(プロフ) - 尊い、、、ありがたや(拝) (2020年11月4日 22時) (レス) id: 1fec416d23 (このIDを非表示/違反報告)
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