【イナイレ】シッカーラプンツェル5【不動明王】 (ページ9)

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◇ラプンツェルと爆発ページ9

『見つけたぞ影山！もう逃げられんぞ！』

不意に上空から、男の人の声が降って来た。

思わず空を見上げると、いつの間にか潜水艦の上ではヘリコプターが飛んでいた。

そのヘリコプターの中に髭を生やしたおじさんが顔を覗かせ、下を見下ろしている。

あの人は誰だろう……？
セリフ的には警察っぽい感じがするけれど……

「ひゃあっ！？」

ヘリコプターに気を取られていたその時だ。

突如、潜水艦内で大きな爆発音が響いた。

大きく揺れる船内。
後ろに倒れそうになったけれど、ゲンダが咄嗟に私を支えてくれたから倒れなかった。

何が起きたのか、まだ頭が理解に追い付いていなかったその時、また大きな爆発音と共に少し離れた所で火柱が上がった。

爆発……もしかして、爆発してるの…？！

この潜水艦を爆破させようとしているの？！

『全員！脱出しろ！！』

再び空から降り注ぐ拡声器の声。
その声色から、その人も慌てているんだと感じた。

途端に周りは騒がしくなり、タカナシ達が先導してﾊﾞﾀﾊﾞﾀと皆甲板の方へ逃げていく。

確かあそこには万が一の為に救命ボートがあるとサクマとゲンダに案内された時に教えて貰った。
多分、それで脱出するんだろう。

「佐久間、源田！キミ達も早く逃げないと…！」

「佐久間は俺が抱えてやるから、源田は一之瀬の肩借りな！
おチビさんも早く！逃げるぞ！」

私達も逃げようとしたら、ライモンの人が2人私達に気付いて駆け寄って来てくれた。

イチノセと呼ばれた茶髪の人が源田に肩を貸し
背の高い褐色の人が佐久間をその背に抱える。

私もまだ足は痛むけれど、手を借りる程ってワケじゃない。

だからその人達について行こうと思ったけれど
ふと私は周りを見渡して、ある人を探した。

いない……此処にいない。

何処に行ったの？もう逃げたの？
それともまだ残ってるの？ソウスイの所なの？

「おい、キミ！何をしているの？！」

あんまりにも夢中で探してしまったから、私は足を止めてしまい、少し先を行っていたライモンの人が振り返って私に声を掛ける。

いないの…何処にもいないの。
いつの間にかいなくなっちゃったみたい。

何処に行ったのはわからない。
もう逃げたのかもしれない。

でも何となく、そうじゃない気がした。

だってフドウはそういう人じゃないから。