【イナイレ】シッカーラプンツェル5【不動明王】 (ページ7)

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◇ラプンツェルとドラゴンページ7

「私…1度でいいから、ドラゴンのシュートが打ってみたかったのっ……！

アナタのさっきのシュート、すっごくカッコよかったから……力を貸してっ！！」

「……へっ、イイぜ！乗ってやるっ！」

一かバチかのダメ元で頼んでみたけれど、状況も状況だからか快くそう言ってくれた。

やっぱりこの人は顔が怖いだけで誰よりも良い人だ……！

「「はァァァアアアアッ！！」」

彼の返事を合図に、私達は力を溜めると、今にも持って行かれそうな足に集中する。

すると驚く事に、禍々しいシュートが光り始めた。

淡く、眩く、神々しく。
ソレは瞬く間に真っ赤なペンギンをも呑み込み、ｷﾗｷﾗと黄金色に輝いた。

足元には色とりどりの花が咲き乱れ、あたたかい光が辺りを包む。

そうして一際輝いた瞬間に、私達は声を上げた。

『メルヒェン…！！』

『ドラゴンっ！！』

その瞬間、私は背後で黄金色のドラゴンの咆哮を聞いた。

最後に息を合わせて渾身の力を足に込めると
ボールはビームのような光線に乗せられて、反対側のゴールへと向かって行く。

即席で仕上がったにも関わらず、閃光と共に想像以上の猛スピードで。

そのスピードは先程の白髪の人のシュートのように速く、ゲンダも対応し切れず、禁断技を放つ暇なくゴールネットを貫いた。

ライモンの得点版に追加点がプラスされる。
2-2。同点。

打ち終わると私も彼もその場に崩れるように膝をつく。

彼に至っては腫れ上がった足を押さえて蹲るように。

……これ、喜んだら怒られちゃうかな。

私からしたらオウンゴールだもんね。

でも、でも今のシュートはとても気持ちが良かった。
今までずっと重かった胸が、ｽｯと軽く晴れやかになったような気分。

協力してるって感じがした。
心から信頼したからこそ出来たシュート。

これがライモンのサッカーなんだろうな。
いいなぁ、スゴいなぁ、やっぱり素敵だなぁ。

最期に私もこんなサッカーが出来て良かった。

「っ……っ……！！

もう一度だ、佐久間！」

でもやっぱりフドウは面白くないよね。

物凄く怒った顔をしてから、責め立てるようにサクマにそう言った。

でもサクマはその場から1歩も動かなかった。

ただ天を見上げて、ﾊﾟｸﾊﾟｸと口を金魚のように開閉していた。

…そうだ、サクマは禁断技を3回打ったから…！！