【イナイレ】シッカーラプンツェル5【不動明王】 (ページ40)

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◇ラプンツェルは行ってくるページ40

次の日、朝早くに迎えに来たお父さんとお母さん。
荷物を持って、看護師さん達に見送られて車に乗り込むと、私達は再びライモンを目指した。

でも前の日に興奮してあんまり寝られなかった私は車内で爆睡しちゃったんだよね。
だから起きた時にはもうライモンの前だった。

「ハンカチ持った？歯ブラシは？ブラシは？松葉杖もちゃんとある？携帯もちゃんと持ってる？無くしてない？」

「だ、大丈夫！昨日一緒に荷物纏めたでしょ！
というか、松葉杖は今私が持ってるじゃん！」

私が車から降り、帽子を被り直すと一昨日のようにお母さんが心配そうな顔をして続けざまに何度も聞いて来る。

気持ちはわかるけど、もう少し落ち着いて欲しいな…
松葉杖だってこうして手で持ってるのに。

「というか、どうして松葉杖なんか……
コレ使うと腕疲れるからあんまり好きじゃないんだけど…」

「マネージャーのお仕事は大変なのよ？
Aはまだ完治してるってワケじゃないんだから。
2時間以上立つような事があれば、ソレを使いなさいって看護師さんにも……」

「わかってる！ちゃんとお話聞いてたからわかってるよ！」

「あと3日に1回は稲妻総合病院に行ってお医者さんに見てもらうのよ？リハビリもそこでしてもらえるからね。因みに場所はわかるわよね？お父さんの手描き地図がカバンの中に入ってるから、わからなかったら…」

「わかってるって！もー、これ以上ここにいたら遅刻しちゃうよ！」

心配性のお母さんの口からは、まるでおイモのように次々と質問が出て来る出て来る。
この調子で付き合ってたら、いつ宿舎の方に行けるかわからない。

だから私は思わずそう言ってしまうと、お母さんは不安そうにしながらも「そっか…」と言葉を噤んだ。

「ま、とりあえず…その、また暫く会えないけどマネージャーの仕事、頑張れよ。
何かあったら連絡してくれ。いつでも何処でも駆け付けてやるからな」

「れ、連絡は定期的にする予定だけど……
その度に駆け付けて来るのだけはやめて…ね？」

お父さんも運転席から落ち着かない様子でそう言ってくれた。

きっとお父さんもお母さんと同じぐらい心配してるんだ。今日1日お父さん元気無かったし。

私だって不安だよ。でも折角呼ばれたんだし
何よりまた外の世界を知る事が出来そうだから。

だから私は最後ににっこり微笑むと
これ以上心配させないように、元気な声で告げた。

「行ってきます！お父さん！お母さん！」